ブレクスピプラゾール(レキサルティ)【統合失調症への効果と安全の両立を図る抗精神病薬、精神科医が7分でまとめ】

はじめに

心療内科・精神科で処方される薬の中でも、比較的副作用が少ない抗精神病薬の一つに「ブレクスピプラゾール(商品名:レキサルティ)」があります。

本記事では、このブレクスピプラゾールの効果や副作用、そしてアリピプラゾール(商品名:エビリファイ)との違いについて詳しく解説していきます。

ブレクスピプラゾールの特徴

ブレクスピプラゾールは、効果と副作用の少なさの両立を目指した薬です。アリピプラゾールに非常に似た抗精神病薬ですが、以下の点で違いがあります。

  1. アカシジア(じっとしていられない症状)が少ない
  2. セロトニンの調整作用が追加されている
  3. 認知機能やうつ症状の改善が期待される

この薬は統合失調症の治療に用いられます。統合失調症は、脳内のドーパミンが過剰に働くことで幻覚や妄想などが引き起こされる疾患です。ブレクスピプラゾールは、ドーパミンの作用を適度に抑えつつ、セロトニンを調整することで、症状の安定化を図ります。

抗精神病薬の役割と最近の流れ

抗精神病薬は、統合失調症の症状を和らげるだけでなく、再燃(症状のぶり返し)を防ぐ役割も担っています。最近では、患者さんが社会復帰しやすいように、長期的な副作用が少なく、継続しやすい薬が重視される傾向があります。

ブレクスピプラゾールもその流れを汲んだ薬であり、短期的・長期的な副作用を抑えつつ、安定した治療を目指すことができます。

ブレクスピプラゾールの薬理作用

ブレクスピプラゾールは「SDAM(セロトニン・ドーパミン・アクティビティ・モデュレーター)」に分類され、2つの主要な作用を持っています。

  1. ドーパミン部分作動薬としての作用
    アリピプラゾールと同様に、ドーパミンの過剰な働きを抑えつつ、必要な部分には適度に作用します。
  2. セロトニン調整作用
    セロトニンを調整することで以下の効果が期待されます。
    • アカシジアの軽減
    • 認知機能の向上
    • うつ症状の改善

特に、アリピプラゾールでは問題視されることが多かったアカシジアが軽減される点は、患者さんが薬を続けやすくするために大きなメリットとなります。

アリピプラゾールとの違い

アリピプラゾールとの主な違いは以下の通りです。

  1. アカシジアの発現率
    • アリピプラゾールでは頻度が高い
    • ブレクスピプラゾールでは比較的少ない
  2. 効果の微調整
    • アリピプラゾールは細かな量の調整が可能
    • ブレクスピプラゾールはシンプルに1mgから開始し、2mgで維持する
  3. うつ症状への作用機序
    • アリピプラゾールとブレクスピプラゾールでは、うつ症状へのアプローチが若干異なる
    • 今後、ブレクスピプラゾールはうつ病の増強療法(抗うつ薬と併用する治療)としての適応拡大が期待されている

ブレクスピプラゾールの強みと弱み

強み

  1. 副作用が少ない(短期的・長期的ともに)
  2. アカシジアが少なく、継続しやすい
  3. シンプルな投与法(1mgから始めて2mgで維持する)

弱み

  1. 量の微調整が難しい(柔軟な増減ができない)
  2. 効果に個人差がある(リスペリドンやオランザピンなどの薬と比べると効きにくい人もいる)
  3. 鎮静作用が弱い(急性期の興奮状態には効果が限定的)

副作用について

ブレクスピプラゾールの副作用は、全体的に少ないとされていますが、以下の点には注意が必要です。

  1. アカシジア
    アリピプラゾールよりは少ないものの、他の薬と比べると多少見られる場合がある。
  2. 眠気
    個人差があるが、比較的少なめ。
  3. 頭痛
    頻度は低いが、出る人もいる。

実際の使い方

ブレクスピプラゾールの基本的な使用法は以下の通りです。

  1. 開始時:1日1回、1mgで開始
  2. 維持期:効果が不十分な場合、2mgまで増量
  3. 副作用が出た場合:0.5mgに減量、もしくは他の薬への切り替えを検討
  4. 安定後:再燃防止のため、服薬を継続
  5. 薬の変更:他の薬から切り替える際は、急激に変更せず、徐々に行う

おわりに

今回は、抗精神病薬の一つであるブレクスピプラゾール(レキサルティ)について解説しました。アリピプラゾールに似た薬でありながら、アカシジアが少なく、セロトニン調整作用も備えた特徴的な薬です。社会復帰を目指す患者さんにとって、副作用が少なく継続しやすい点は大きな利点となります。

ただし、個人差があるため、効果が不十分な場合は他の薬への切り替えも視野に入れつつ、医師と相談しながら慎重に治療を進めていくことが大切です。

今後も、皆さんの健康と生活の質の向上に役立つ情報を発信していきます。