うつ病・適応障害、考え事への対策3つ

はじめに:考えすぎが治療の妨げになることも

うつ病や適応障害の治療では、「休養すること」「リハビリをすること」 が重要なポイントとなります。しかし、これらを進めるうえで大きな妨げとなるのが 「考えすぎること」 です。

例えば、

  • 「不安や悩みが頭から離れず、リラックスできない」 → 休養がうまくとれない
  • 「考えすぎて行動を起こせない」 → リハビリや社会復帰が進まない

このような状態に陥ると、治療が長引いたり、回復が遅れることがあります。つまり、考えすぎをコントロールできれば、治療はスムーズに進む ということです。

そこで今回は、うつ病や適応障害の方に向けた 「考え事への対策3つ」 を紹介します。

1. 対策①:「観察と分析」 ~考えごとの正体を知る~

考えることが「プラス」か「マイナス」かを見極める

考え事には、「役に立つ考え事」「意味のない考え事」 があります。

役に立つ考え事(プラス)

  • 問題の解決策を考える
  • 未来の計画を立てる
  • 自分を振り返り、改善につなげる

意味のない考え事(マイナス)

  • 過去の失敗をくよくよと悩む
  • 「こうすればよかった」と後悔し続ける
  • 未来のことを考えすぎて不安になる

このように、考えすぎが「役に立つものかどうか」を冷静に分析することが第一歩です。

考え事のプロセスを理解する

考えすぎるプロセスは、主に 2段階 に分けられます。

①「考えのもと」が自動的に浮かぶ(自動思考)
→ これは 無意識 で発生するため、止めることはできない

② それを深く考え込む(思考の広がり)
→ ここは 意識的 にコントロールできる部分

つまり、考えすぎの対策としては、「考えのもと」を意識して広げないことが重要 です。

実践方法:「観察」と「分析」

ステップ1:観察
まず、「今、自分はどんなことを考えているのか?」を観察してみましょう。

  • 「また過去のことを思い出しているな」
  • 「さっきの会話を何度も反芻しているな」
    といった具合に、自分の考え事を客観的に見つめます。

ステップ2:分析
次に、「この考え事はプラスか?マイナスか?」を判断します。

  • プラスなら → しっかり考えて解決策を見つける
  • マイナスなら → 「考えない」と決めてストップする

考えすぎに巻き込まれないためには、この 「観察」と「分析」 を習慣づけることが大切です。

2. 対策②:「受け流す」 ~考えすぎをやめる習慣をつける~

「考えすぎが良くない」と分かっていても、つい考えてしまうことがあります。そこで大事になるのが、「考えない」練習をすること です。

① 「考えないこと」に罪悪感を持たない

多くの人は、「問題があるならしっかり考えなければいけない」 という思い込みを持っています。

例えば、

  • 「大事なことだから、しっかり考えるべきだ」
  • 「悩みを放置するのは無責任では?」

こうした「~べき思考」によって、考えすぎをやめられないことがあります。

しかし、実際には 「考えすぎることで解決しない問題」 も多いのです。

例:「受け流すべき考え事」

  • 過去のこと(やり直せない)
  • 他人の評価(変えられない)
  • 未来の不確実な心配(予測不能)

こうした考え事に意味はなく、考えても疲れるだけなので、意識的に 「これは考えても仕方がないから、やめよう」 と割り切ることが大切です。

② 「受け流す」テクニック

「考えても無駄」と自分に言い聞かせる
 → 「これは考えても解決しないから、やめよう」と言葉にする

紙に書いて、あとで考える(考え事の棚上げ)
 → 今すぐ考える必要がなければ、いったん紙に書いておく

「考えない時間」を作る(ルール化)
 → 「夜9時以降は考え事をしない」など、考えない時間を決める

このように、考え事を「流す」意識を持つことが大切です。

3. 対策③:「別のことに集中する」 ~注意を外に向ける~

「考えすぎをやめよう」と思っても、強い不安や悩みがあると、頭の中から考え事を追い出すのは難しいものです。

そこで、考え事を断ち切る最も簡単な方法が、「他のことに集中する」 ことです。

① 注意を「外」に向けることが大切

考え事は、「頭の中でグルグル回る」 ことで強まります。

逆に、「外の世界に意識を向ける」 と、自然と考え事は薄れていきます。

② 具体的な方法

  • 運動をする(ウォーキング、ストレッチ、軽い体操)
  • 音楽を聴く(歌詞のある曲が特におすすめ)
  • 趣味に没頭する(料理、読書、手芸など)
  • 人と話す(誰かと会話するだけで、考えが逸れる)
  • 家事や仕事に集中する(やるべきことに意識を向ける)

このように、考え事が止まらないときは、意識的に 「何かに集中する時間」 を作ることが大切です。

4. まとめ

考えすぎは、うつ病や適応障害の回復を妨げる要因の一つです。

対策①:「観察と分析」 → 考え事を客観的に見て、「プラスかマイナスか」を判断する
対策②:「受け流す」 → 「考えても無駄なこと」を意識的にスルーする
対策③:「別のことに集中する」 → 頭の中の考えを止めるため、外の世界に注意を向ける

この3つの方法を意識的に実践することで、考えすぎをコントロールし、治療をスムーズに進めることができます。考え事に悩んでいる方は、ぜひ今日から試してみてください。