【場面緘黙症についての解説記事】

場面緘黙症とは、自宅など安心できる環境では普通に話せるものの、学校や職場など特定の場面では話すことができなくなる疾患です。特に幼少期から学齢期にかけて発症することが多く、入学後に症状が明らかになるケースがよく見られます。しかし、大人になっても症状が残ることがあり、その場合は「部分的に話しにくい」といった状態が続くこともあります。また、社会不安症と併発するケースも多く見られます。

場面緘黙症はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では「選択性緘黙」として分類され、以下の条件を満たす場合に診断されます。

場面緘黙症は、社会不安症と症状が類似しているものの、異なる概念の疾患です。場面緘黙症では「話したくない」のではなく、「強い不安のため話せない」という点が特徴です。そのため、本人が自覚していない場合もあり、不安の原因を明確に説明できないこともあります。
場面緘黙症の治療は、社会不安症の治療方法に準じることが多いです。

段階的に不安な環境に慣れさせる方法です。例えば、最初は家族や親しい友人といる環境で話す練習をし、徐々に教師やクラスメートの前で話すことに慣れていくといったアプローチが取られます。
安心できる環境に少しずつ新しい刺激を加え、無理なく適応できるようにする方法です。
不安を和らげるためのトレーニングを行うことで、場面緘黙症の改善を目指します。例えば、不安を軽減するための呼吸法やポジティブな考え方を身につける練習を行います。

症状が強く、日常生活に大きな支障をきたしている場合には、薬物療法が検討されることもあります。
場面緘黙症は、多くの場合、適切な対応をとることで徐々に改善していきます。ただし、長期間話せない環境にいるとストレスが蓄積し、二次的にうつ病や強い対人不安を発症する可能性もあります。成人後も部分的に話しにくさが残るケースもありますが、社会不安症と同様の治療を受けることで、改善が期待できます。

場面緘黙症は適切な治療と環境調整によって改善が可能です。周囲の理解とサポートが重要であり、本人のペースに合わせた支援が求められます。