【ADHDセルフケア】集中を続けるコツ5つ【精神科医が7分でまとめ】

はじめに

今回は、「集中を続けるコツ5つ」について詳しく解説していきます。
ADHD(注意欠如・多動症)の方々からは、「集中が続かない」「すぐに気が散ってしまう」といったお悩みをよくお聞きします。これはADHDの特性である「不注意」に由来するものです。

その結果として、「仕事の課題が期限に間に合わない」「授業や会議に集中できない」「家でやるべきことが手につかない」など、日常生活に大きな影響が出ることがあります。
こうした課題に対応するために、本記事では「集中を続けるための具体的な方法」を5つご紹介します。

これらのコツは、ADHDの特性を理解しつつ、無理なく実践できるものばかりです。
ぜひ、ご自身の生活に取り入れてみてください。

1. 「それたら戻す」を意識する

1. 「それたら戻す」を意識する

最初のコツは、「それたら戻す」というシンプルな方法です。
ADHDの特性上、注意がそれること自体を完全に防ぐのは難しいです。
しかし、「それないようにする」ことを目標にするのではなく、「それたことに気づいて、すぐに集中を戻す」ことを目指しましょう。

注意がそれたままでいると、当然ながら作業効率は大きく下がります。
しかし、それた直後に意識して集中を戻すことができれば、影響を最小限に抑えることができます

よくある質問として、「何回も集中がそれてしまうのですが、どうしたらいいですか?」というものがあります。この答えは、「何回でも戻しましょう」です。
集中がそれるたびに、その都度戻すことを繰り返すことが大切です。

これは一種の「練習」です。
繰り返し実践することで、「それたら戻す」ことが習慣化されていきます。
ただし、この作業は意外とエネルギーを消費するため、集中を戻すたびに少し疲れることがあります。
そのため、適度に休憩を挟みつつ行うことも重要です。
また、体調が悪い時はこの方法がうまくいかないこともあるので、体調管理にも気を配りましょう。

2. 余分なものを置かない環境づくり

2. 余分なものを置かない環境づくり

次に大事なのが、「余分なものを置かない環境づくり」です。

先ほどの「それたら戻す」も重要ですが、そもそも気が散る要素が少ない環境を整えることで、「それる回数」自体を減らすことができます。

ADHDの特性として、「外部からの刺激に反応しやすい」というものがあります。
視界に余分なものが多いと、その刺激に注意が引っ張られ、作業から意識がそれてしまうことがあるのです。

したがって、作業する場所では以下のような工夫をしてみましょう。

  • デスクの上を片付ける:使わないものは引き出しにしまう。
  • 視界に入る刺激を減らす:壁に不要なポスターなどを貼らない。
  • 集中したいことは見える場所に:忘れたくないタスクは付箋に書き、目につく場所に貼る。

環境を整えることで、集中の妨げになる要素を最小限に抑えることができます。

3. 「すぐできる」環境をつくる

3. 「すぐできる」環境をつくる

3つ目のコツは、「すぐできる環境をつくる」ことです。

例えば、食事を作る際を思い浮かべてください。
電子レンジで温めるだけならすぐに食事が完成しますが、食材を切り、調味料を量り、いくつもの工程を経て調理する場合は、途中で集中が途切れやすくなります

これは、ADHDの特性である「実行機能の障害」が関係しています。
段取りを組み立てるのが苦手なため、複雑な手順の作業は途中で嫌になったり、別のことに気を取られやすくなるのです。

したがって、対策としては以下のような工夫が効果的です。

  • タスクをシンプルにする:複雑な作業はなるべく細分化しておく。
  • ショートカットを作る:よく使う道具や資料はすぐに手に取れる場所に置く。
  • 作業の手順を決めておく:いちいち考えずに済むように、作業の流れをパターン化する。

こうした工夫をすることで、「作業を始めるまでのハードル」を下げ、集中しやすい環境を整えられます。

4. 問題を細かく分ける

4. 問題を細かく分ける

4つ目のコツは、「問題を細かく分ける」ことです。

例えば、ADHDの子どもが「宿題を先延ばしにする」という話をよく耳にします。
宿題が1つの大きな塊に見えると、取り掛かるのが億劫になり、結果として後回しにしてしまうのです。

しかし、「計算問題を20問解く」といった具合にタスクを細かく分けると、一気にハードルが下がります。これは大人にも応用可能です
大きな仕事を前にして途方に暮れる前に、以下のステップを試してみましょう。

  1. 作業をできるだけ細かく分ける
  2. すぐに取り掛かれる形にする
  3. 1つずつ片付けていく

小さな成功体験を積み重ねることで、集中を保ちながら仕事を進められるようになります。

5. 細かく自分をほめる

5. 細かく自分をほめる

最後のコツは、「細かく自分をほめる」ことです。

ADHDの特性には「遅延報酬が苦手」というものがあります。
これは、「将来的に得られる報酬」よりも「目の前で得られる報酬」に反応しやすい傾向を指します。

そのため、「いつか評価される」「将来役に立つ」といった遠いゴールよりも、「今、うまくいった!」という瞬間の達成感を意識的に作ることが大切です。

具体的には

  • 小さな成功を見つける:「5分間集中できた!」「1つのタスクを終えた!」
  • すぐに自分をほめる:「よし!よくやった!」
  • ご褒美を準備する:仕事が終わったら好きなお菓子を食べるなど、即時報酬を用意する。

こうした工夫で、自分自身にポジティブなフィードバックを与え、集中力を維持しましょう。

おわりに

今回は、ADHDの方が「集中を続けるためのコツ」を5つご紹介しました。

  1. それたら戻す
  2. 余分なものを置かない
  3. すぐできる環境をつくる
  4. 問題を細かく分ける
  5. 細かく自分をほめる

これらを組み合わせることで、より効果的に集中力を保つことができます。
無理のない範囲で、できることから始めてみましょう!