強度行動障害を引き起こす理由とアプローチについて

「行動問題」とは、放置すると日常生活や健康に悪影響を及ぼす逸脱した行為を指します。
また、行動問題が続き、社会生活への参加や健康管理が長期間困難になる状態を
「強度行動障害」または「チャレンジング行動」と呼びます。

具体的には、厚生労働省の強度行動障害判定基準表で、
自傷・他傷・こだわり・物壊し・睡眠の乱れ・偏食、異食などの食事関係の障害、
多動・騒がしさ・パニック・放尿・便いじりなどの排泄関係の障害・粗暴行為が含まれます。
これに加えて、重度、最重度の人には自己刺激行動常同行動がよく見られ、
軽度の人には反社会的行動が問題となります。

今回は、このような強度行動障害の原因とその対応方法について理解を深めたいと思います。

行動障害を引き起こす原因はさまざまで、多くの場合、
本人の要因と環境要因が相互に作用して行動障害が増幅します。

本人の要因には次のものがあります。

本人の要因には次のものがあります。
  1. 発達レベル
    • 認知、理解のレベル(場面や因果関係、概念、社会的ルールの理解)に問題
    • コミュニケーション能力(要求の表現、指示の理解など)に問題
    • 生理的機能(睡眠覚醒リズム、体温調節など)の未熟さ
    • 運動機能の不器用さ
    • 対人関係、愛着の発達レベルの問題
  2. 脳器質性(機能性)障害
    • 自閉症の症状
    • 多動、衝動性、固執性など
    • てんかん発作
  3. 感覚障害
  4. 身体の不調
  5. 精神科疾患
  6. 気質、性格

環境要因には次のものがあります。

環境要因には次のものがあります。
  1. 対人関係
    • 威圧的な対応、共感性のない関わり
    • 過大な期待、要求水準
    • 不適応行動を強化する関わり
    • 達成感、満足感の欠如
  2. 日課、プログラム内容、物理的環境
    • 見通しが持ちにくい日課
    • 本人の発達レベルや嗜好に合わないプログラム
    • 環境刺激の質、量の不適切
  3. 不安、恐怖、緊張感を引き起こす出来事

行動障害が固定化してくる場合、これらの要因が重なり合っていることが多く、
さらに何らかのきっかけが加わることで状態が悪化します。
したがって、行動障害の改善を考える際には、個人の発達特性や日常の対人関係のパターン、
身体の状態、問題行動の経過、医学的判断、環境変化との関係など、
多面的に情報を集めることが重要です。

以下に、具体的な対処方法について説明します。

  • 発達レベルが低い場合、食べ物でない物を口に入れたり、
    脱衣や物を投げるなどの行動が見られることがあります。
  • 理解や認知能力、コミュニケーション手段が不足している場合、
    拒否の表現として奇声や他傷、攻撃的な行動が現れることがあります。
  • 睡眠覚醒リズムや体温調節機能など、生理的安定を保つ身体機能が未発達な場合、
    行動障害が持続する要因となります。

行動障害の根本的な改善は難しい場合がありますが、本人に合った環境設定や適切なアプローチを行うことが求められます。
また、てんかん発作や感覚障害などが原因で行動障害が生じることもあり、
この場合は適切な治療や対応が必要です。

このように、行動障害を引き起こす要因を理解し、多面的なアプローチで対応することが大切です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。