【統合失調症療養のコツ】陰性症状とその対策

はじめに

統合失調症は、幻聴や妄想などの 「陽性症状」 が注目されやすいですが、病気の経過が進むにつれ 「陰性症状」 が大きな問題となることがあります。特に急性期を過ぎた後の陰性症状は、意欲低下や感情の変化が乏しくなることで、社会生活や日常生活に大きな影響を及ぼします。

陰性症状は長期間続くことが多く、抗精神病薬の効果が限定的であるため、適切な対策が重要です。今回は、統合失調症の陰性症状とは何か、その特徴や対策について詳しく解説していきます。

1. 統合失調症とは?

脳の神経伝達の異常が関与する病気

統合失調症は、脳のドーパミンの過剰な働き によって引き起こされると考えられている精神疾患です。この病気は 「陽性症状」「陰性症状」 の二つのタイプの症状が現れることが特徴です。

  • 急性期 では、幻聴や妄想などの陽性症状が目立ちます。
  • 症状が落ち着いた後 は、意欲低下や感情の平板化といった陰性症状が現れやすくなります。

2. 陰性症状とは?

2. 陰性症状とは?

陰性症状とは、本来あるはずの意欲や感情が「減退」する 症状のことを指します。急性期が終わった後に目立つようになり、長期間続くことが多いのが特徴です。

陰性症状の特徴

  • 意欲や感情の低下がみられる
  • 活動量が減少し、日常生活が困難になる
  • 抗精神病薬の効果が限定的で、改善に時間がかかる

陰性症状が目立つ 休息期回復期 では、日常生活に大きな影響が出るため、適切な対策が必要です。

3. 統合失調症の経過と陰性症状

統合失調症の経過は、大きく 3つの時期 に分けられます。それぞれの時期で目立つ症状が異なります。

① 急性期

  • 特徴:幻聴や妄想などの陽性症状が目立ち、脳が過敏な状態になっている
  • 症状:興奮しやすく、混乱が見られることもある
  • 陰性症状:この時期にはあまり目立たない

② 休息期(陰性症状が強くなる時期)

  • 特徴:陽性症状が落ち着くが、意欲低下などの陰性症状が強くなる
  • 症状:動くのが億劫になり、日常生活に支障が出る
  • 陰性症状:最も強く現れ、無気力や感情の乏しさが目立つ

③ 回復期

  • 特徴:陰性症状が徐々に回復し、活動量が増えてくる
  • 症状:少しずつ日常生活ができるようになるが、発症前の状態には戻りにくい
  • 陰性症状:一部は残るものの、生活が改善していく

4. 代表的な陰性症状とその特徴

4. 代表的な陰性症状とその特徴

陰性症状には、特に以下の 3つ が代表的です。

① 意欲低下(アパシー)

  • 何もやる気がしない
  • すぐに疲れてしまい、集中が続かない
  • お風呂や身だしなみを整えることが難しくなる

② 感情の平板化

  • 感情があまり動かなくなる
  • 表情が乏しくなり、声の抑揚がなくなる
  • 反応が遅くなる

③ 社会的引きこもり

  • 人と会話することが減る
  • 外出が億劫になる
  • 友人や家族との交流を避けるようになる

陰性症状が続くと、生活の質が低下し、人間関係も疎遠になりやすくなります。そのため、適切な対応が必要です。

5. 陰性症状への対策

陰性症状への対策の基本は 「無理をしない」「徐々に活動量を増やす」 ことです。

① 無理はしない

  • 無理に活動を増やすと、急性期の再発リスクが高まる
  • 周囲の人からの 「頑張れ」「動かないとダメ」 というプレッシャーは逆効果
  • まずは 「休養」 を大切にし、焦らず時間をかけて回復を目指す

② 徐々に活動量を増やす

  • 「自分の意志で動く」 ことが大切
  • 体調を見ながら、少しずつ無理のない範囲で行動する
  • 「~しなければならない」という考えは持たないことが重要
  • 不調を感じたらすぐに休む

自分の意志で動く例
  • 短い散歩をする
  • 近くのコンビニに行く
  • 簡単な家事をする

サポートを活用しながら動く例
  • 訪問看護(定期的に看護師が訪問し、健康管理をサポート)
  • 作業療法(軽作業を通じて生活リズムを整える)
  • デイケア(日中の活動を支援するリハビリ施設)
  • 就労支援(作業所)(軽作業をしながら社会復帰を目指す)

サポートを活用することで、無理なく生活リズムを整えやすくなります。

6. 家族との関わり方

陰性症状は周囲からは 「ただ怠けているだけ」 に見えてしまうことがあります。しかし、本人は動きたくても動けない状態にあるため、焦らせることは逆効果 です。

家族が気をつけること

  • 感情を強くぶつけない(怒ったり責めたりしない)
  • 焦らず、じっくりと見守る(時間をかけて回復を待つ)
  • 「できたこと」を褒める(小さな成功体験を積み重ねる)
  • 必要な時は相談に乗る(無理に会話を強制しない)

まとめ

  • 統合失調症は、急性期を過ぎると「陰性症状」が目立つようになる
  • 陰性症状には「意欲低下」「感情の平板化」「社会的引きこもり」がある
  • 無理をせず、少しずつ活動量を増やしていくことが重要
  • 家族や周囲は、焦らず温かく見守ることが大切

陰性症状は回復に時間がかかるため、焦らずに 「長期的な視点」 で対策をとることが大切です。無理をせず、少しずつ自分のペースで生活を整えていきましょう!