うつ病・適応障害、休職したら収入0?

鬱病・適応障害で休職したら収入はゼロになるのか?

休職と収入について

鬱病や適応障害により休職が必要になることは珍しくありません。しかし、休職によって収入が完全にゼロになってしまうのではないかという不安を持つ方も多いでしょう。結論としては、「サポートする制度があるため、完全に収入がゼロになるわけではない」ということになります。

鬱病と適応障害とは

まず、鬱病について簡単に説明します。鬱病とは、脳の不調によって引き起こされる精神疾患であり、主に「落ち込み」や「意欲の低下」が特徴です。脳内のセロトニン不足が一因とされており、抗うつ薬の使用が治療の一環として行われます。ストレスによって悪化するため、十分な休養が重要であり、休職が選択肢となることもあります。

適応障害とは、特定のストレス要因によって鬱のような症状が引き起こされる状態を指します。これは「ストレス反応」の一種であり、必ずしも脳の不調が原因ではない点が鬱病と異なります。しかし、ストレスの影響が強くなると症状が悪化し、休職が必要になる場合もあります。

休職の目安と治療の流れ

休職とは、治療のために一定期間仕事を休んで休養することを指します。一般的には3か月を目安に休養に専念し、その後リハビリを行いながら復職を目指します。休職期間が短すぎると、復職後に再発するリスクが高まるため、慎重な対応が必要です。

休職中の経済的サポート制度

休職によって収入が途絶えることを不安に思う方も多いですが、「傷病手当金制度」という公的なサポートが存在します。

傷病手当金制度とは?

傷病手当金制度は、病気やケガのために働くことができず療養・休職が必要な際に、給与の約3分の2が支給される制度です。この制度は鬱病や適応障害などの精神疾患にも適用されます。

制度の要件

  • 同じ病名での支給期間は最大1年6か月。
  • 医師の証明書が必要であり、月1回以上の通院が求められる。
  • 休職開始から4日目以降に支給開始。

申請手続きについて

傷病手当金を受け取るためには、申請が必要になります。申請には以下の3つの書類が求められます。

  1. 本人が記入する書類
  2. 事業主(会社)の担当者が記入する書類
  3. 主治医が記入する書類

申請の流れとしては、

  1. 本人が必要書類を記入。
  2. 医療機関で主治医に記入を依頼。
  3. 会社に書類を提出し、会社が手続きを進める。

申請時の注意点

  • 証明書には「未来の日付」を記載できない。例えば、10月1日に証明を受ける場合、証明できるのは9月30日までの期間。
  • 社会保険に加入している必要がある。パート勤務などで社会保険に未加入の場合は利用できない。
  • 支給開始までに2〜3か月かかるため、早めの申請が重要。

会社に迷惑をかけたくないという不安

休職することで会社に迷惑をかけるのではないかと心配する方もいます。しかし、多くの会社は「しっかり治してから復帰してほしい」と考えています。その理由は以下の2つです。

1. 安全配慮義務

企業には労働者の心身の健康を守る「安全配慮義務」があります。鬱病や適応障害で業務が困難な場合、休職を促すことが適切な対応となります。

2. 実務上の理由

体調不良が続くと、急な欠勤やミスが増え、会社の管理が難しくなります。むしろ、しっかり休んで回復し、万全の状態で復職する方が職場にとっても有益です。

休職中の医療費負担が心配な場合

医療費の負担が大きいと感じる方には「自立支援医療制度」があります。

自立支援医療制度とは?

精神疾患の治療が継続的に必要な場合、医療費の自己負担を3割から1割に軽減する制度です。利用するためには、医療機関で診断書を発行してもらい、市役所に申請する必要があります。ただし、適用には病状の重さなど一定の基準があるため、主治医と相談が必要です。

まとめ

  • 鬱病・適応障害の治療で休職が必要な場合、経済的な不安を感じる方も多い。
  • 「傷病手当金制度」により、社会保険に加入していれば給与の約3分の2が支給される。
  • 医療費についても「自立支援医療制度」を活用すれば負担が軽減される可能性がある。
  • 会社側も「安全配慮義務」と「実務上の理由」から、従業員の回復を優先する姿勢が求められる。

休職は決して悪いことではなく、しっかりと回復してから復職することが大切です。利用できる制度を活用しながら、無理のない回復を目指しましょう。