私たちは日々、大小さまざまな選択を迫られています。例えば、朝食に何を食べるかという些細なことから、転職や結婚といった人生の大きな決断まで、選択の連続です。しかし、すべての決断に自信を持てるわけではありませんし、時には「自分で決めるのが怖い」と感じることもあるでしょう。
同じように間違えた選択をしても、「後悔する人」と「前に進む人」がいます。この違いを生む要因の一つが、「自分で決めたかどうか」です。自分の意思で選び取ったことは、たとえ失敗しても納得しやすく、学びにつながります。一方、他人に流されて決めたことは、結果が悪かったときに後悔や不満を抱えがちです。
本記事では、自己決定の重要性と、不安を克服しながら主体的に生きる方法について詳しく解説します。

人は、生まれ持った性格や素質の上に、さまざまな経験を積み重ねながら成長します。その経験の質を決めるのが、「自己決定」です。
このプロセスを繰り返すことで、自分自身を形成し、より良い経験を積んでいくことができます。しかし、自己決定が苦手な人は、選ぶこと自体を避けがちです。
その結果、以下のようなデメリットが生じます。
• 経験の質が低下する → 試行錯誤を通じた成長の機会を逃す
• 自己制御感が低下する → 自律的に生きている実感を喪失する
• 達成感を得られにくくなる → 成功したときの喜びが半減する
• 他人に流されやすくなる → 自分の意志よりも周囲の意見に左右される
逆に、自己決定を積極的に行うと、自己制御感が高まり、成功体験を積みやすくなり、結果として自己肯定感が向上します。
「自分で決めることばかり考えていると、自己中心的になるのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、自己決定と自己中心的な行動は異なります。
自己中心的な行動は、「自分の利益のみを優先する決断」を指します。一方、自己決定は、「他者との関係や社会全体の状況を考慮しながら、主体的に判断すること」です。
例えば、職場でプロジェクトの方針を決める際、自分のスキルアップだけを考えて行動するのではなく、チーム全体の利益も考えながら決断することが重要です。
自己決定は「自分本位」ではなく、「協調の中で自分の意見を持つこと」と言い換えられるでしょう。
「自分で決めるのが怖い」と感じる人は少なくありません。特に以下のような傾向がある人は、自己決定が苦手になりやすいです。
• 不安障害の傾向がある人(決断すること自体に強いストレスを感じる)
• 依存性・回避性パーソナリティの人(他人に判断を委ねがち)
• 幼少期に自己決定を制限されてきた人(親や周囲がすべて決めていた環境で育った)
自己決定には、「間違うリスク」がつきまといます。決断の結果が悪かった場合、他者からの批判や責任を問われることを恐れるあまり、決めること自体を避けてしまうのです。
しかし、決断を避け続けると、不安はさらに大きくなります。この悪循環を断ち切るために、「系統的脱感作法(段階的に不安に慣れる方法)」を活用するのが有効です。
系統的脱感作法とは、「少しずつ不安に慣れながら、決断力を養う方法」です。
ステップ1:小さな決断から始める
• 例:「今日の夕食は何にしよう?」など、リスクの低い決断を積み重ねる
ステップ2:やや重要な決断に挑戦する
• 例:「休日の予定を自分で決める」「仕事のタスクを自分の判断で進める」
ステップ3:大きな決断に挑む
• 例:「転職や引っ越しなど、人生の重要な選択を行う」
このように段階的に決断を増やしていくことで、不安を感じることなく自己決定ができるようになります。
自己決定をスムーズに行うためには、以下の3つのステップを意識するとよいでしょう。
①「適当に決める」段階
まずは、小さな決断をあまり深く考えずに行うことから始めます。この段階では、「決める」という経験を積むことが目的です。
②「決断の重みを実感する」段階
次に、「自分の決断がもたらす影響」を意識するフェーズです。責任を感じることで、より深い経験につながります。
③「覚悟を持って決める」段階
最後に、「どんな結果になっても、それを受け入れる覚悟を持つ」ことで、本当の意味での自己決定ができるようになります。

✔ 人は「決めて行動する」ことで成長するため、自己決定が重要
✔ 自己決定は、他人と協調しながら行うことができる
✔ 決断への不安は、「系統的脱感作法」で克服できる
✔ 小さな決断から始め、徐々に大きな決断へと進むのがポイント
自分で決めることは、不安を伴うものですが、その先には確かな成長があります。
まずは「致命的でない範囲の小さな決断」から始め、自分の人生を主体的に生きる力を養っていきましょう。