今回は「適応障害」について詳しく解説していきます。
適応障害とは、「強いストレスに反応して起こる抑うつ状態」を指します。
この障害は、特定のストレス環境において一度だけ発症する人もいれば、環境を変えても繰り返し発症する人もおり、対策方法が異なります。
しかし、共通するポイントは「いかにストレスを溜め込みすぎないか」ということです。
本記事では、適応障害の特徴や症状、診断基準、うつ病との違い、そして対策について詳しく見ていきます。

適応障害の発症パターンには、主に以下の2つのケースがあります。
ある人は、これまで特に抑うつ状態になることもなく生活していました。
しかし、ある日会社の異動により新しい部署へ配属されました。
そこで上司から理不尽な要求を繰り返されるようになり、次第に気持ちが沈み、会社へ行くのが辛くなりました。
ある日、出勤しようとした際に突然強い吐き気を感じ、会社へ行けなくなってしまいました。
そこで受診したところ、「適応障害」と診断され、診断書を提出した結果、異動が認められ、その後は安定した生活を送れるようになった、という事例です。
幼少期から人との関わりに苦手意識があり、孤立気味だった人が、就職後1か月で気分の落ち込みが目立ち、適応障害と診断されました。
その後、転職をしたものの、転職先でも同じような症状が現れました。
何度も同じ経験を繰り返すうちに、医師と相談し、発達障害が背景にあることが判明。
現在は「就労移行支援」に通いながら、リハビリを進めているというケースもあります。

適応障害の症状は、うつ病と非常によく似ています。
主な症状を以下にまとめます。
悲しみや落ち込みが強く現れます。
外から見てわかるほど落ち込むこともあれば、イライラとして表れることもあります。
以前楽しめていたことが楽しめなくなり、新しいことにも興味を持てなくなります。
特に、ストレスの原因について考えたときに強く感じることが多いです。
ストレスを感じる環境にいると食欲がなくなります。
休日になると食欲が戻ることが多いのも特徴です。
考え事が多くなり、不眠に悩まされることが多くなります。
一方で、人によっては過眠になる場合もあります。
ストレスがかかると考えが止まり、行動が鈍くなります。
また、人によっては焦りが強くなる場合もあります。
何をするにもやる気が出ず、ストレスを感じると体が重くなったり、動くこと自体が億劫になることがあります。
自己評価が著しく低下し、自責の念に駆られます。
ストレスがないときは比較的改善することが多いです。
集中力が続かず、仕事でミスが増えたり、物事の判断が鈍ることがあります。
強いストレス下では、死について考えてしまうこともあります。
この場合は早めに専門医へ相談することが重要です。
アメリカ精神医学会が定めたDSM-5(精神障害の診断基準)では、適応障害の診断には以下の条件を満たす必要があります。
この診断基準により、ストレスが主な要因であるかどうかが判断されます。

適応障害とうつ病は非常に似た症状を示しますが、根本的な違いがあります。
1. 原因の違い
2. 症状の継続性
3. 休職や環境変化の影響
適応障害の対策・治療法
適応障害の対策には、大きく分けて「環境調整」と「ストレス管理」が重要です。
適応障害は環境に対するストレスが原因となるため、環境を変えることが重要です。
適応障害は基本的にストレス対策が中心ですが、必要に応じて抗不安薬や睡眠薬が処方されることもあります。
適応障害はストレスが原因で発症する精神疾患ですが、適切な対応を取ることで改善が期待できます。
環境調整やストレス管理を意識し、無理をしないことが大切です。
もし思い当たる症状がある場合は、専門医に相談することをおすすめします。