【統合失調症】統合失調症は危険ですか?【精神科医が7.5分で説明】幻聴|早期治療|精神科

はじめに

今回のご質問は、「統合失調症は危険ですか?」というものです。この問いに対する答えは、「適切な治療を受けることで、リスクは大幅に低減される」となります。本記事では、統合失調症の症状や治療法、病期の変化、リスクの要因などを詳しく解説し、統合失調症に対する正しい理解を深めることを目的とします。

統合失調症とは?

統合失調症のイラスト

統合失調症は、脳の機能に不調が生じることで、幻聴や妄想などの症状が現れる精神疾患です。主に脳内の神経伝達物質であるドーパミンの過剰な働きが関与していると考えられています。治療には抗精神病薬を用い、症状の改善や再発予防を目的に継続的な治療が推奨されます。

統合失調症の主な症状

統合失調症には、以下の三つの主な症状群があります。

1. 陽性症状(急性期に目立つ症状)

  • 幻聴:存在しない声が聞こえる(特に「命令幻聴」は注意が必要)
  • 妄想:実際とは異なることを強く信じ込む(「被害妄想」が代表的)
  • 興奮・混乱:脳が過敏になり、混乱したり怒りやすくなったりする
幻聴、幻覚のイラスト

2. 陰性症状(意欲や気力の低下)

  • 無気力・無関心:生活意欲が低下し、社会活動が困難になる
  • 感情の鈍化:感情表現が乏しくなる
  • 思考の停滞:考えがまとまりにくくなる

3. 認知機能障害(思考や注意力の低下)

  • 集中力の低下:作業や会話への集中が難しくなる
  • 記憶障害:短期記憶が弱くなる
  • 判断力の低下:合理的な判断が難しくなる

統合失調症の治療法

統合失調症の治療には、以下の三つの方法が組み合わされます。

1. 薬物療法(抗精神病薬)

抗精神病薬を用いて、症状を抑え、病気の再発を防ぎます。定期的な服薬が重要であり、不規則な服薬や中断は症状悪化のリスクを高めます。

2. 精神科リハビリテーション(デイケアなど)

社会復帰を目指し、日常生活のリズムを整えたり、対人スキルを向上させたりするプログラムが提供されます。

3. 福祉資源の活用

障害が残った場合、就労支援や生活支援を受けることで、社会生活を安定させることが可能になります。

統合失調症の病期とリスクの変化

統合失調症は、病期によって症状の現れ方が異なります。

1. 前駆期(不調の前兆)

  • なんとなく体調が悪い、集中できない、不安が強くなるなどの症状が出る
  • 適切なケアが行われないと、急性期へ移行する

2. 急性期(陽性症状が強く出る時期)

  • 幻聴や妄想が激しくなり、混乱しやすい
  • 自分や他人に危害を加える可能性が高まるため、入院治療が必要になる場合がある

3. 休養期(回復のための安定期)

  • 陽性症状は落ち着くが、無気力や抑うつが目立つ
  • 生活リズムを整え、回復を促す期間

4. 回復期(社会復帰を目指す時期)

  • 一定の改善が見られ、社会活動を再開できる
  • 再発防止のために治療を継続することが重要

危険な状態は、主に「急性期の陽性症状」が強く現れたとき です。この時期に適切な治療を受けることで、リスクを大幅に減らすことができます。

治療を受けていない場合のリスク

統合失調症のリスクは、治療を受けているかどうか によって大きく変わります。

治療していない3つの状況

  1. 未治療:まだ受診していない状態で、早期発見・治療が望ましい
  2. 治療中断:治療をやめることで、急性期のような強い再発を引き起こす可能性が高い
  3. 不規則な治療:服薬を不規則にすると、症状が悪化するリスクがある

特に危険な状態

  • 命令幻聴:幻聴の指示に従って行動してしまう
  • 被害妄想:自分が攻撃されていると信じ、他人に反撃する可能性がある
  • 興奮・混乱:感情のコントロールが難しくなり、衝動的な行動に出る

適切な治療を継続すれば、これらのリスクは大幅に減少します。

受診につなげるには?

統合失調症の治療を受けるためには、本人が受診を希望することが理想ですが、現実的には難しい場合もあります。その際は、以下のような方法を検討しましょう。

受診や相談の場所

  • 精神科クリニック:軽症の場合に適しているが、急性期の対応には限界がある
  • 精神科病院:症状が強い場合に対応可能。家族相談窓口がある場合も
  • 保健所:家族が相談し、適切な支援を受けられる

特に症状が強く、本人が受診を拒否する場合は、家族が病院や保健所に相談することも重要です。

まとめ

「統合失調症は危険ですか?」という問いに対する答えは、「適切な治療を受ければ、リスクは大幅に低減される」です。
統合失調症に対する偏見をなくし、正しい知識を持つことで、適切な対応ができるようになります。

重要なのは以下の点です。

  • 危険な状態は「急性期の陽性症状が強いとき」に限られる
  • 治療を続けることで、リスクは大幅に減少する
  • もし受診が難しい場合は、家族や支援機関に相談する
相談のイラスト

統合失調症について理解を深め、適切なサポートを受けることで、より安全で安心な生活を送ることが可能になります。