【躁うつ病セルフケア】薬の治療をしっかり続ける【双極性障害、精神科医が5.5分で説明】

躁うつ病(双極性障害)のセルフケア:薬の治療をしっかり続けることの重要性

はじめに

躁うつ病(双極性障害)におけるセルフケアの一環として、今回は「薬の治療をしっかり続ける」ことの重要性についてお話しします。
躁うつ病の治療においては、症状の改善だけでなく、その後の再発を予防することも非常に重要です。
その中心となるのが「薬の治療」であり、特に「気分安定薬」の継続が不可欠です。

気分安定薬の服用を継続することは、他の治療や生活改善の取り組みにおいても基盤となります。
しかしながら、薬を継続することに対して葛藤を抱く場面も少なくありません
本記事では、躁うつ病と気分安定薬の役割、薬の継続に伴う葛藤、それを乗り越えるための対策について詳しく解説します。

躁うつ病(双極性障害)と気分安定薬について

躁うつ病(双極性障害)と気分安定薬について

まず、躁うつ病について振り返ります。
この病気は、抑うつ状態(気分の落ち込み)と躁状態(異常な高揚感や活動過多)を繰り返す脳の不調により引き起こされます。

治療の基本は「気分安定薬」の継続です。
この薬は、症状の改善だけでなく再発予防の役割も果たします。
症状が安定した後に薬を中断してしまうと、多くの場合、再発のリスクが高まります。
そのため、たとえ症状が落ち着いていたとしても、薬を続けることが不可欠なのです。

気分安定薬の治療は、躁うつ病の波を穏やかにし、再発を防ぐために必要です。
薬以外にも生活リズムを整えるなどの対策はありますが、治療の柱となるのは薬の継続であり、これは決して軽視できない要素です。

安定期に生じやすい「薬の継続に対する葛藤」

薬を継続することに対して、患者さんの多くが葛藤を抱えることがあります。
特に安定期に入ると、「もう薬をやめてもいいのではないか」と考えてしまうことが多くなります。

この葛藤が生じる背景には、以下の要因があります。

  1. 効果を実感しにくい
    • うつ状態や躁状態のときには、薬を服用することで症状の改善をはっきりと感じることができます。しかし、再発予防のための服用では、目に見える変化がないため、効果を実感しにくいという側面があります。
  2. 副作用を実感しやすい
    • 眠気やだるさ、体重増加などの副作用が出ることがあり、これらの影響を強く感じてしまうことがあります。その結果、「効果はよくわからないのに、副作用だけがある」と感じてしまい、服薬を中断したくなることがあります。
  3. 病気と薬の結びつき
    • 薬の服用を続けることで、「自分は病気なのだ」と改めて認識させられるため、それが心理的な負担になることがあります。

こうした葛藤がある中で、自己判断で薬をやめてしまうと、深刻なリスクが伴います。

気分安定薬の中断によるリスク

気分安定薬の中断によるリスク

気分安定薬を自己判断で中断することには、大きなリスクがあります。
主に以下の点が挙げられます。

  1. 再発のリスク
    • 気分安定薬をやめると、再発の可能性が非常に高まります。
      さらに、薬を服用しながらの再発よりも、急激かつ重篤な症状が現れることが多いのが特徴です。
  2. 生活への悪影響(休職・退職のリスク)
    • 強い躁状態やうつ状態が再発すると、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。
      特に、重度の症状が現れた場合、休職や退職を余儀なくされるケースも少なくありません。
  3. 長期的な適応困難
    • 何度も躁状態やうつ状態を繰り返すと、社会生活への適応が難しくなります。
      その結果、仕事や対人関係など、生活全般に悪影響を及ぼすことがあります。

葛藤を抱えながらも薬を続けるための現実的な対策

薬の継続には葛藤がつきものですが、それでも続けることが重要です。
そのために、以下の現実的な対策を考えていきましょう。

  1. 副作用への対策を講じる
    • 副作用を軽減するために、主治医と相談しながら薬の量を調整することができます。
      また、副作用が少ない薬に変更することも一つの方法です。
  2. 慎重に減薬を行う
    • 安定した状態が続く場合、医師の指導のもとで慎重に減薬を試みることも可能です。
      しかし、減薬によって症状が不安定になる場合は、元の用量に戻すことが必要です。
  3. 病気や薬に対する気持ちの整理を行う
    • 躁うつ病という病気に向き合いながら、薬を受け入れるプロセスを進めていくことも重要です。時間をかけながら、少しずつ病気との付き合い方を見つけていくことが大切です。

まとめ

まとめ

今回、躁うつ病(双極性障害)のセルフケアとして「薬の治療をしっかり続ける」ことの重要性について解説しました。

躁うつ病の治療の基本は、気分安定薬の継続です。
この薬は症状の改善と再発予防の両方において不可欠であり、安定期に入った後も続けることが重要になります。一方で、薬の継続には葛藤が伴うこともありますが、その葛藤に流されて自己判断で中断すると、大きなリスクが生じる可能性があります。

薬を継続するためには、副作用への対策を講じたり、慎重に減薬を試みたりすることが有効です。
また、病気や薬に対する気持ちの整理を行うことも、長期的な服薬継続の助けになります。

主治医としっかり相談しながら、自分に合った方法で薬の治療を続けていくことが大切です。
焦らず、無理のない範囲で病気と向き合っていきましょう。