はじめに
今回は「双極性障害のうつ状態の過ごし方」についてお話しします。双極性障害というと、躁状態の激しさが注目されがちですが、実際には多くの時間をうつ状態で過ごすことになります。そのため、うつ状態の過ごし方がとても重要になります。
本記事では、うつ状態の特徴やその困難さを整理したうえで、適切な過ごし方を4つご紹介します。
双極性障害のうつ状態とは
双極性障害(躁うつ病)は、気分の波が周期的に変動する精神疾患です。躁状態と比べると、うつ状態は長く続き、生活への影響も大きくなります。
双極性障害には4つの状態があります。
- 躁状態:気分が高揚し、活動的になりすぎてトラブルを引き起こす可能性があります。
- 軽躁状態:軽い躁の状態で、一見すると調子が良いように見えますが、過活動により躁状態へ進行する危険があります。
- 軽うつ状態:軽い落ち込みの状態で、比較的安定した時期にはこの状態が続くことが多いです。
- うつ状態:気分の落ち込みが強く、うつ病と同様の症状が現れます。
また、双極性障害には以下の2つのタイプがあります。
- I型:躁状態とうつ状態を繰り返し、躁の影響が強く表れるタイプ。
- II型:軽躁状態とうつ状態を繰り返し、うつ状態が主体となるタイプ。
双極性障害の主な治療法
双極性障害の治療には、主に以下の3つの方法があります。
- 薬物療法:気分安定薬を用いて、症状の改善や再発予防を行います。
- 生活面での対策:生活リズムの維持や行動量の調整を行い、気分の安定を目指します。
- 福祉資源の活用:治療だけでは補えない部分を、福祉制度を活用することで支援します。
双極性障害のうつ状態の困難さ
双極性障害のうつ状態には、特有の困難さがあります。
- 特効薬がなく長期化しやすい
- うつ病と異なり、決定的な治療薬がないため、長期間にわたる症状の波を管理する必要があります。
- うつ状態が改善したと思っても、実は躁や軽躁に移行してしまい、新たな問題が発生することもあります。
- 躁状態との比較による葛藤
- 軽躁や躁の時と比べると、気分や活動量が極端に落ち込むため、より一層つらさを感じやすくなります。
- 治療によって安定しても、「元気な自分ではない」と感じることがあり、治療継続が困難になる場合があります。
- 現実的な問題を抱えやすい
- 躁状態のときに借金を作ったり、対人トラブルを起こしたりすることがあり、その影響でうつ状態が悪化しやすいです。
- その結果、社会的孤立や経済的困難を抱え、慢性的なストレスが続くことになります。
双極性障害のうつ状態の過ごし方4つ
うつ状態の改善には時間がかかりますが、日々の生活の中でできることを積み重ねることが大切です。ここでは、うつ状態の過ごし方として有効な4つの方法をご紹介します。
1. 生活リズムを整える
生活リズムの安定は、気分の安定につながる重要な要素です。特に、うつ状態では生活リズムが乱れがちになるため、意識して一定のリズムを保つことが大切です。
実践のポイント
- 起床時間を一定にする。
- 日中は適度に活動し、夜はリラックスする時間を確保する。
- 寝る時間が遅くなっても、起床時間を変えずにリズムを戻す。
2. 食習慣を整える
食事のリズムを整えることで、体内時計が安定し、気分の変動を抑える効果が期待できます。
実践のポイント
- 3食の時間をできるだけ一定にする。
- 食事の量を極端に変えず、バランスよく摂る。
- カフェインやアルコールの摂取を控えめにする。
3. 適度な運動を取り入れる
うつ状態では体を動かすのが億劫になりがちですが、軽い運動は気分の改善に役立ちます。
実践のポイント
- 散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす。
- 朝や昼に軽い運動を取り入れ、日光を浴びる習慣をつける。
- 一度に長時間運動するのではなく、短時間でも定期的に続ける。
4. サポートを活用する
うつ状態では、自分だけで抱え込まずに、周囲のサポートを積極的に活用することが重要です。
実践のポイント
- 家族や友人、医療機関に相談し、サポートを受ける。
- 必要に応じて、カウンセリングや精神保健福祉サービスを利用する。
- 自助グループなど、同じ経験を持つ人とつながる。
まとめ
双極性障害のうつ状態は長く続くことが多く、特有の困難さを伴います。しかし、生活リズムの調整や適切なサポートを活用することで、少しずつ安定した日常を取り戻すことができます。
今回ご紹介した4つの過ごし方(生活リズムの維持、食習慣の整備、適度な運動、サポートの活用)を意識しながら、無理のない範囲でできることを続けていくことが大切です。長期的な視点で、自分に合った方法を見つけ、穏やかな日々を過ごせるようにしていきましょう。