私たちは、強いストレスや疲労によって一時的に思考力や判断力が鈍ることがあります。しかし、それが長期間続く場合、精神疾患の可能性を考える必要があります。特に、うつ病や統合失調症などの精神疾患では、認知機能の低下が顕著に見られ、日常生活や仕事に大きな影響を与えることがあります。
この記事では、頭が回らなくなる精神疾患として代表的な4つの疾患を紹介し、それぞれの特徴や対策について詳しく解説します。
精神疾患による脳機能の低下は、以下のような形で現れます。
これらの症状により、仕事や対人関係、日常生活に支障をきたすことが多くなります。

精神疾患による認知機能の低下は、次のような具体的な問題を引き起こします。
o 業務のスピードが落ち、ミスが増える。
o 会話の理解が難しくなり、指示を誤解しやすい。
o 状況の変化に対応できず、パフォーマンスが低下する。
o コミュニケーションが困難になり、人付き合いを避けるようになる。
o 感情のコントロールが難しくなり、対人トラブルが増える。
o 家事や身の回りの世話ができなくなる。
o 入浴や食事を怠り、セルフネグレクトの状態に陥ることがある。
o 重要な手続きをするのもおっくうになり、社会生活にも支障が出る。
特徴:うつ病は、持続的な抑うつ気分や意欲低下を伴う疾患で、脳内のセロトニン不足が関与していると考えられています。思考力や判断力の低下が目立ち、仕事や日常生活に支障をきたします。治療を行えば改善してきますが、思考力等は遅れて改善してきます。
対策:
• 抗うつ薬で症状が改善するのを待つ。
• 休養を取ることが最優先。
• 無理のない範囲で日常生活を送りながら、徐々に思考力を回復させる。
特徴:統合失調症は、急性期には幻聴や妄想が特徴的ですが、安定後も陰性症状や認知機能の低下が続くことがあります。陰性症状から感情や意欲の低下がみられ、何をするにもおっくうになり、頭が回らないという実感を持ちます。また、認知機能障害から思考力の低下を実感します。一種の後遺症的な障害のため、劇的な改善は望みにくいです。
対策:
• 抗精神病薬で症状をコントロール。
• 無理のない範囲で生活リズムを整える。
• リハビリテーションのプログラムなどに参加する。
特徴:気分変調症は、軽度ながら持続的な抑うつ症状が2年以上続く疾患です。判断力や思考力が慢性的に低下し、自己否定感が強くなる傾向があります。他の精神疾患と比べると、経過が遅く、症状の軽度さから、元の能力と誤解されて、理解を得にくい面もあります。抗うつ薬等での治療を行えば改善してきますが、思考力等は遅れて改善してきます。
対策:
• できるだけ判断や思考の負担を軽減する。
• 焦らずに徐々に活動量を増やし、社会復帰を目指す。
特徴:双極性障害は、うつ状態と躁状態を繰り返す疾患です。うつ状態では思考力が極端に低下し、躁状態では逆に過剰に活発になることがあります。そのため、安定した認知機能の維持が難しくなります。
対策:
• 気分安定薬を用いた治療。
• 生活リズムを整えることが重要。
• うつ状態時の思考力低下に適応しながら、無理のない範囲で活動する。

• 頭が回らない原因の多くは、精神疾患による認知機能の低下が関与している。
• うつ病、統合失調症、気分変調症、双極性障害の4つの精神疾患では、特に思考力や判断力の低下が顕著。
• 治療を受けても、思考力や判断力の回復には時間がかかるため、無理せず徐々に回復を目指すことが重要。
精神疾患による認知機能の低下は、一朝一夕で改善するものではありません。
まずは現状を受け入れ、適切な治療と環境調整を行うことで、少しずつですが頭の回転を取り戻すことができます。
焦らず、自分のペースで回復を目指しましょう。