今回のテーマは「双極性障害で引きこもりになりますか?」というご質問についてです。 結論から申し上げると、「双極性障害が原因で引きこもりになる場合は少なくないが、背景は複雑である」と言えます。
双極性障害は、一般的に「躁うつ病」とも呼ばれ、気分の極端な変動を繰り返す精神疾患です。これは単なるうつ病とは異なり、脳の不調のメカニズムも異なるとされています。 双極性障害には、大きく分けて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の二つのタイプが存在します。Ⅰ型は激しい躁状態とうつ状態を繰り返すタイプであり、Ⅱ型は軽躁状態とうつ状態を繰り返しながら、うつ状態が主に現れるタイプです。
本記事では、双極性障害と引きこもりの関係、具体的な背景、そして対策について詳しく解説していきます。

双極性障害には、次の4つの主要な状態があります。
これらの状態が周期的に繰り返されるのが、双極性障害の特徴です。
双極性障害による引きこもりの背景には、以下の3つの要因が大きく関係しています。
特に双極Ⅱ型では、うつ状態が長期間続くことがあり、これが引きこもりの主な原因になります。うつ病と診断されることが多く、抗うつ薬が効かず、引きこもりが長期化することも少なくありません。 また、双極性障害の適切な治療を受けた場合でも、うつ状態の改善は難しく、結果として引きこもりが続いてしまうことがあります。
双極性障害の安定期は軽うつ状態であることが多く、躁状態のときのように活発に行動できないことにストレスを感じます。自分の中で葛藤が生まれ、その結果、活動が減少し、引きこもりが慢性化することがあります。
躁状態のときには行動力が増し、社会活動も活発になりますが、その間にトラブルを起こしやすい傾向があります。例えば、借金や人間関係の悪化などが生じることがあります。 その後、うつ状態に移行すると、躁状態のときの行動を後悔し、経済的な問題や人間関係の悪化を理由に引きこもってしまうことがあります。
「躁状態になれば引きこもりを抜けられるのでは?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。
しかし、これは短期的には良いように思えても、長期的には悪影響を及ぼします。
躁状態では対人交流が活発になりますが、うつ状態に移行すると一転して人を避けるようになります。これは躁状態のときの言動への後悔や、うつの症状が影響しているためです。
躁状態のときに対人トラブルや経済的問題が発生しやすく、うつ状態に移行すると、それらの問題と向き合うことができず、ますます引きこもってしまう傾向があります。

双極性障害による引きこもりを改善するためには、以下の3つの対策が有効です。
まずは治療を受け、病状を安定させることが重要です。気分安定薬(リチウム、バルプロ酸など)を継続して服用し、躁状態やうつ状態の波を抑えることが大切です。
また、生活リズムの維持や行動量の調整など、生活習慣の改善も病状の安定に役立ちます。
双極性障害による気分変動の影響で、様々な心理的葛藤が生じます。
これらを意識しながら、心理的な安定を図ることが必要です。
病状が安定し、心理的な整理が進んだら、徐々に活動を増やしていくことが大切です。
このように段階的に行動を増やしていくことで、引きこもりの改善につながります。
双極性障害による引きこもりは、うつ状態が続くことや躁状態とのギャップによる葛藤、さらには躁状態時のトラブルの影響によって引き起こされます。
対策としては、
が重要です。
無理をせず、少しずつ前進することが、長期的な改善につながるでしょう。