発達障害は、精神科や心療内科での診察や検査を経て診断されます。
しかし、発達障害の症状と似た症状があっても、診断基準を満たさないために発達障害と診断されないケースがあります。
このように診断されていないものの発達障害の傾向が見られる状態を「グレーゾーン」と呼ぶことが
あります。
グレーゾーンの人々は、子供の頃に学習や対人関係で困難を感じたり、大人になってからは仕事がうまくいかず悩むことが少なくありません。
しかし、理解ある環境で自分に合った仕事を見つけることができれば、自分らしく働くことも可能です。
発達障害のグレーゾーンとは
発達障害のグレーゾーンは正式な名称ではなく、発達障害の傾向があることを示す一般用語です。
発達障害の診断基準を全て満たさないグレーゾーンについて理解するためには、発達障害の主な症状を知ることが重要です。
発達障害は大きく以下の3つに分類されます。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如多動症(ADHD)
- 学習障害(LD)
それぞれの特徴や症状を、子供の頃と大人になってからに分けて見ていきましょう。
グレーゾーンの特徴(学齢期の場合)
自閉スペクトラム症(ASD)の傾向
- 学生時代には「学校で友達とのコミュニケーションがスムーズに取れない」などの特徴が現れる
- 言葉だけでなくジェスチャーなどの身振り手振りを用いて話したり、様々な言語表現で会話を繰り広げる
- 他人の表情や言葉の意図を読むことが苦手で、会話中も相手の考えが理解できず不安になることがある
注意欠如多動症(ADHD)の傾向
- 「宿題を忘れる」「プリントを紛失する」「授業中に指名されていないのに発言する」などの特徴が現れる
- 時間管理ができず遅刻する
- 提出期限を守れない
- 先生や友達から注意を受けたり、笑われる場面が増えると劣等感や自己否定的な感情が芽生えることがある
学習障害(LD)の傾向
- 小学生の頃から「文章を書くのが苦手」「計算ができない」などの特徴が現れる
- 中学生や高校生になると授業の難易度が上がり、学習の遅れが目立つことがある
- 周囲から努力不足と見なされ、自信を失うことがある
グレーゾーンの特徴(大人の場合)
自閉スペクトラム症(ASD)の傾向
- 社会生活の様々な場面で困難を感じることが増える
- 同僚や上司とうまく会話できない、急な予定変更に対応できないなどで仕事に影響が出ることがある
- 自信を喪失し、抑うつや不安障害などの二次障害を発症することがある
注意欠如多動症(ADHD)の傾向
- 不注意が目立ち、約束を忘れる、ミスが多い、遅刻が目立つなどの症状が現れる
- 多動性や衝動性が強いと、仕事中も落ち着いて座っていられない
- 余計な一言を発言して周囲を困らせることがある
学習障害(LD)の傾向
- 「指示が理解できない」「仕事の飲み込みが遅い」などの症状が現れる
- 文字を書くことや計算はスマートフォンなどを使って補うことができるがそれでも困難が続く場合がある
障害者手帳の申請
発達障害のグレーゾーンの人は、発達障害と診断されていないため障害者手帳の取得はできません。
そのため、福祉的な支援を受けるための手帳が必要な場合、支援の対象外となります。
しかし、自治体によっては例外を認める場合もあるので、住んでいる自治体に問い合わせて確認することが必要です。
まとめ
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD)の特性や傾向があるものの、発達障害と診断されない場合はグレーゾーンと呼ばれます。
障害者手帳がなくても利用できる支援機関もありますので、地域の自治体や専門機関に相談することを おすすめします。