貧血は、多くの人々が一度は耳にしたことのある症状ですが、
その背後にはさまざまな原因や病気が潜んでいます。
貧血とは、血液中のヘモグロビン(赤血球内の酸素を運ぶ成分)の濃度が低下し
体に十分な酸素が届かない状態を指します。
しかし、貧血そのものは病名ではなく、あくまで症状の一つであり
必ずその原因が存在します。
このため
貧血を引き起こす根本的な疾患や状況を把握することが治療の鍵となります。
貧血の原因はさまざまであり、栄養の不足から生命に関わる重篤な病気に至るまで
その範囲は非常に広いです。
この記事では、貧血を引き起こす主な病気やその原因について詳しく探っていきます。
貧血は、血液が体外に失われることによっても引き起こされます。
出血が明らかであれば、その原因を特定しやすいですが
体内で隠れた出血が発生している場合には
気づかないうちに貧血が進行することもあります。
出血によって貧血を引き起こす場合、主に以下の2つの部位が関与しています。
1.1 消化管からの出血
消化器系からの出血は、特に高齢者において貧血の原因となることがあります。
胃や大腸の疾患が隠れていることが多く
例えば胃潰瘍や胃がん、大腸がんなどがこれに該当します。
便の色や形から出血の部位を予測することが可能です。
便が黒い場合は胃からの出血が疑われ、鮮血が見られる場合は大腸からの出血が疑われます。
このような場合、内視鏡検査や便潜血検査が診断に有効です。
1.2 性器からの出血
女性の場合、生理による血液の喪失が貧血を引き起こす大きな要因となります。
特に鉄分やビタミンの不足が生理と重なることで、貧血が一層悪化します。
生理が過多だったり、不規則だったり、
不正出血があったりする場合は、産婦人科での診察を受けることが推奨されます。
産婦人科では、超音波検査やホルモン検査を行い、出血の原因を特定します。

二次性貧血は、他の病気が原因で発生する貧血を指します。
この場合、貧血そのものが病気の一症状であるため
根本的な疾患の治療が必要です。主な原因疾患として以下が挙げられます。
2.1 感染症
慢性の感染症が体内に存在すると、貧血を引き起こすことがあります。
感染症やその治療過程で体内に炎症が広がると
赤血球の生産が抑制され、貧血を引き起こすのです。
2.2 膠原病
リウマチなどの膠原病も貧血を引き起こす原因となります。
膠原病では免疫システムが過剰に反応し、
赤血球を破壊したり、赤血球の生産を妨げたりします。
これにより、貧血が進行することがあります。
2.3 悪性腫瘍(がん)
がんが進行すると、体内で炎症が続き、鉄の吸収が抑制されたり
赤血球が破壊されたりして貧血を引き起こします。
特に進行がんでは貧血の症状が顕著に現れることがあります。
2.4 慢性腎不全
腎臓の機能が低下すると、赤血球を作るためのホルモンであるエリスロポエチンが減少し
結果的に貧血が発生します。
慢性腎不全に伴う貧血は、適切なホルモン療法や腎臓治療が必要です。
2.5 内分泌疾患
甲状腺や副腎、下垂体の機能低下が貧血を引き起こすことがあります。
これらのホルモンが不足すると、赤血球の生産が抑制され、貧血が発症します。
2.6 肝疾患
肝硬変などの慢性肝疾患では、赤血球が壊れやすくなるため、貧血が発生します。
肝臓は血液の循環や栄養の供給に重要な役割を果たしているため
その機能が低下することで貧血を引き起こすことがあります。

鉄欠乏性貧血は、鉄分が不足することにより赤血球が十分に作られなくなり
貧血が発生する病気です。このタイプの貧血は、特に女性に多く見られます。
月経や妊娠・授乳期における鉄分の需要増加が主な原因となります。
また、消化器系の病気や胃切除後も鉄の吸収が妨げられ、鉄欠乏を引き起こすことがあります。
鉄欠乏性貧血では、赤血球が小さく、形が不規則になるのが特徴です。
治療法としては、鉄剤の補充が一般的です。
また、食事から鉄分を摂取することも大切です。
鉄の吸収を助けるために、ビタミンCと一緒に摂取することが推奨されています。
ビタミンB12や葉酸が不足すると、赤血球の成熟が正常に行われなくなり
巨赤芽球貧血が発生します。このタイプの貧血では
赤血球が通常よりも大きくなるのが特徴です。
ビタミンB12は動物性食品に多く含まれ、葉酸は緑黄色野菜に豊富に含まれています。
ビタミンB12や葉酸の不足が続くと、貧血だけでなく
神経障害や消化器症状が現れることもあります。
このため、これらのビタミンを補充することが重要です。
溶血性貧血は、赤血球が早期に破壊されることによって発生します。
溶血が起こる原因には、外的要因(例えば、行軍ヘモグロビン尿症や人工弁など)や
免疫系の異常、赤血球自体の異常があります。
特に自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は、自己免疫疾患が原因で起こります。
治療法としては、ステロイドなどの免疫抑制剤による治療が行われます。
溶血性貧血は、適切な治療を行うことで改善することができます。
まとめ
貧血は、栄養不足や過度な出血から
がんや慢性疾患に至るさまざまな病気から生じる症状です。
貧血が疑われる場合は、その原因を特定することが非常に重要です。
適切な診断を受け、原因に応じた治療を行うことで
健康を保つための第一歩を踏み出すことができます。
貧血を放置せず、早期に対処することで、健康的な生活を維持することが可能です。
最後までご拝読いただき、ありがとうございました。