不安障害に悩む方の中には、抗不安薬を服用している方も多くいらっしゃるかと思います。そして、よくいただくご質問のひとつに「抗不安薬はどのくらいの期間、飲み続けるべきか?」というものがあります。
この問いに対する答えは非常に繊細です。端的に言えば、「可能であれば早期の減薬を目指すべきですが、焦ってやめようとすることは逆効果になる可能性があります」。この記事では、抗不安薬の種類やその特徴、依存や耐性といったリスク、そして適切な減薬の進め方について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
抗不安薬とは、不安や緊張を和らげる効果を持つ薬剤のことを指し、その多くは「ベンゾジアゼピン系」に分類されます。この系統の薬は、即効性があることが特徴で、突然の不安や緊張、パニック状態などに迅速に対応するための薬として用いられます。
抗不安薬には、効果が続く時間によって以下のようなタイプがあります。

このように抗不安薬は非常に有用ですが、一方で依存や耐性といった問題も存在します。そのため、医師と相談しながら「必要な時に使い、可能であれば早めに減らす」というスタンスが重要です。
抗不安薬は、以下のような状況において特に効果的です。
こうした緊急性の高い状況において、抗不安薬は非常に心強い味方となります。
抗不安薬を長期間使用する上で気をつけたいのが、「依存」と「耐性」です。
薬の服用を続けることで、体や心がその薬に慣れ、いざ減薬・中止しようとした際に以下のような症状が出ることがあります。
特に問題となるのが、「常用量依存」と呼ばれる状態です。これは、比較的少量の服用であっても、それを継続するうちに減薬が難しくなり、やめようとすると不調が生じるというものです。

耐性とは、同じ量の薬を飲み続けても次第に効果が感じられなくなり、より多くの量を必要とするようになる現象です。これが進むと副作用のリスクも増し、薬の量だけが増えていってしまう悪循環に陥る可能性があります。
では、依存や耐性を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。以下のような対策が考えられます。
特に、環境の見直しや認知行動療法など、薬以外の対処法を土台にすることが、安定した回復への近道になります。
症状が安定してきたと感じたら、次のステップは「減薬」です。しかし、無理に急いで減らすのは危険です。以下の点を押さえて、慎重に進めましょう。
これらの条件が整ったときに、医師の指導のもと、徐々に量を減らしていきましょう。

あくまで「安定してから、少しずつ」が大切です。もし減薬の過程で不調が生じた場合は、無理をせず一時的に元の量に戻すことも選択肢の一つです。
抗不安薬は、即効性があり、突発的な不安やパニックに非常に効果的な薬です。一方で、長期使用には依存や耐性のリスクが伴います。そのため、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。
不安障害における薬物治療は、単に薬を「飲むかやめるか」ではなく、個々の状況に合わせてバランスよく調整していくものです。不安なことがあれば、一人で抱え込まず、主治医や専門家と相談しながら最適な方法を探っていきましょう。