
不安障害とは、不安や恐怖が過度に大きくなり、日常生活に支障をきたす状態を指します。
一時的な不安や恐怖は自然な反応ですが、その度合いが極端に大きかったり、長期間持続することで
日常生活に影響が出る場合には注意が必要です。
アメリカ精神医学会のDSM-5では、不安障害の診断基準として、不安や恐怖が6ヶ月以上持続することを目安としています。過度の不安や恐怖と自然な不安や恐怖の間には明確な線引きはありませんが、本人が苦痛を感じ、生活に支障が出る場合には、医師の診断を受けることが一つの選択肢です。
DSM-5では、不安や恐怖、回避行動を引き起こす対象や状況によって、不安障害を9つに
分類しています。
社交不安障害は、周囲に多くの人がいる場面で以下の症状が繰り返し現れる状態です
これにより、会議中の発言、人前での行動、上司やあまり面識のない人との会話、試験や面接を
避けたり、電話に出なくなったり、学校や職場に行けなくなったりする可能性があります。
人から注目されることや恥をかくことに対して過剰な不安や恐怖を感じるため、人と話すことや多くの人がいる場所が辛くなります。
社交不安障害の原因は明確には分かっていませんが、セロトニンのバランスが崩れ神経が過敏に
なることが関係していると言われています。
パニック障害は、突然理由もなく動悸やめまい、手足の震えなどのパニック発作が起こり
日常生活や社会生活に困難をきたす状態です。
パニック障害では、予期不安や広場恐怖も現れます。発作が再び起こるのではないかという不安
(予期不安)や、特定の場所に行くことへの恐怖(広場恐怖)が特徴です。
例えば、電車内で発作を経験した場合、電車に乗ること自体が恐怖の対象になることがあります。
全般性不安障害は、職場や日常生活のさまざまな場面で不安を感じる状態です。
例えば、自然災害や紛争など自分に直接関係ない事柄にも不安を感じることがあります。
具体的な症状には以下のものがあります
このような症状が精神面だけでなく身体的にも影響を及ぼし、日常生活に支障をきたします。
恐怖症は特定の対象に対して過剰な恐怖心を感じる状態で、日常生活に影響が出ることがあります。
限局性恐怖症は、特定の物事や状況に対する恐怖が生活や仕事に支障をきたす場合に診断されます。
恐怖症の対象は以下のようなものが含まれます

不安障害の要因には、気質的要因、環境要因、遺伝子的要因、生理学的要因があります。
否定的な感情や不安に対して敏感な性格がパニック障害の発症要因となることがあります。
例えば、完璧主義、几帳面、マイナス思考などの性格が関係しています。
アメリカ精神医学会のDSM-5によると、小児期の虐待経験や喫煙がパニック障害のリスク要因です。
パニック障害がある人のほとんどが、最初のパニック発作の前に特定のストレス要因を経験しています。
複数の遺伝子がパニック障害に関係していると考えられており、遺伝子に関連する機能はまだ詳しく特定されていません。
喘息などの呼吸器系障害もパニック障害と関連があると言われています。
不安障害は男性よりも女性に多く見られ、感受性が強い、自己評価が低い、周囲の反応を気にしすぎる、理想主義、完璧主義などの特性を持つ人が発症しやすいとされています。
これらの特性は不安障害の結果として現れることもあります。
治療法としては、薬物療法と心理療法があります。
全国精神保健福祉センターや精神科、心療内科に相談することが勧められます。
精神科は主に心の症状を、心療内科はストレス関連の身体の症状を扱います。
不安障害はどちらの診療科でも治療対象となります。
不安障害はさまざまな要因によって引き起こされ、多岐にわたる症状が現れます。
専門家の診断を受けることで適切な治療を受け、生活の質を向上させることが重要です。
まずは身近な精神科や心療内科に相談し、適切なサポートを受けることが推奨されます。