「不安障害でつらい思いをしているけど、開き直った方がいいのかな?」「どうしても治療がうまく進まない…」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
不安障害は、強い不安によって日常生活に支障をきたすこころの病です。治療には、抗うつ薬や行動療法(脱感作法)などの標準的な手段が存在しますが、時にはうまくいかず、膠着状態に陥ってしまうことも。
そうしたとき、ある種の“開き直り”が新たな一歩を後押ししてくれることもあるのです。

不安障害とは、過剰な不安が長期的に続き、心身や社会生活に強い影響を与える状態のことを指します。発症の仕方や場面によって、以下のような種類に分けられます。
これらの症状は違いがありますが、脳の働きに関する共通点が多く、治療法にも共通する部分があるのです。
不安障害の背景には、次のような要素があります。
人によって異なるため、原因はひとつに限られません。
主に抗うつ薬(SSRI)を使って脳内のセロトニンを増やし、不安症状の改善を図ります。
特に脳の不調が背景にある場合は、大きな効果が期待されます。
不安を感じる場面をあえて避けず、少しずつ慣れていく方法です。
小さな成功体験を積み重ねることで、不安の克服を目指します。
薬物療法によって不安が軽減されたタイミングで始めると、より効果的です。
しかし、治療がスムーズに進むとは限りません。次のような場合には、つまずきが生じやすくなります。
このように、不安の構造自体が治療の妨げになってしまうこともあるのです。
不安障害の中には、もともと不安を感じやすい性格傾向(HSPや神経質など)が強く影響しているケースもあります。
このような傾向が強いと、薬や脱感作の効果が限定的になることがあります。
このような場合、不安を感じる場面から繰り返し回避してしまい、結果として改善のチャンスも逃してしまいます。
こうした状況で、一種の“開き直り”が好転のきっかけになることがあります。
「どうしよう、失敗したら…」と考えすぎて動けないときには、あえて“失敗してもいい”と考える方が前に進みやすくなります。
最初から完璧にできる必要はありません。むしろ「負けて当然」「失敗しても前を向ければOK」と考えることで、不安の悪循環から抜け出しやすくなるのです。
森田療法では、「とらわれ」が不安の源になると考えます。
こうしたとらわれを手放し、「自分らしく向き合っていく」ことが、不安に強くなる第一歩です。
失敗しても、それを受け止めて自分で歩み直すという経験は、不安障害の回復にも非常に重要です。自分の足で立つ感覚を得られたとき、不安の支配から少しずつ解放されていくのです。

不安障害は、多くの人が経験する可能性のある心の病です。まずは薬物療法や脱感作法といった標準治療を丁寧に進めることが基本ですが、うまくいかない時期があっても不思議ではありません。
そうしたときこそ、“開き直り”の姿勢が自分を救ってくれることがあります。失敗を恐れず、「それでもやってみよう」という気持ちが、新たな一歩につながるのです。
不安を完全になくすことは難しくても、不安と共に生きる力を育むことはできます。どうか焦らず、自分のペースで、少しずつ前に進んでいきましょう。