PTSDの代表的な4つの症状とPTSDの合併症について

こんにちは。今回は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)について詳しくご紹介いたします。

PTSDとは、強い恐怖や衝撃を伴う出来事に直面した後

その出来事の精神的影響が長期間にわたって残り

日常生活にさまざまな支障をきたす精神疾患です。

戦争や犯罪、自然災害、交通事故、虐待などがその引き金になることが多い一方で

日常生活における比較的身近な出来事でも、個人の受け止め方によっては発症することがあります。

PTSDは、単なる「嫌な思い出」や「ショックな出来事を忘れられない」というだけでは

済まされない

心に深く根を下ろした傷として存在します。

発症すると、心身に多様な症状が現れ

本人だけでなく周囲の人々の生活にも影響を及ぼすことがあります。

本記事では、PTSDに特徴的な4つの代表的症状

そして合併しやすい他の精神疾患について詳しく解説してまいります。


PTSDとは何か?

PTSDの代表的な4つの症状とPTSDの合併症について

PTSDは、Post-Traumatic Stress Disorderの略であり、日本語では「心的外傷後ストレス障害」と訳されます。この疾患は、生命の危機を感じるような出来事や、強い恐怖・無力感・衝撃を経験した後に発症する可能性がある精神的な障害です。

トラウマとなる出来事を経験した後、人はある程度のストレス反応を示すことが自然です。しかし、多くの場合、時間の経過とともに徐々に回復していきます。ところが、PTSDではその回復がうまくいかず、数ヶ月から数年にわたって苦しみが続き、生活に大きな影響を与える状態が続きます。


PTSDに見られる代表的な4つの症状

PTSDには、いくつかの特徴的な症状がありますが、主に「再体験症状」「回避症状」「感情の麻痺(麻痺症状)」「過覚醒症状」の4つに大別されます。それぞれの症状について、以下に詳しく説明いたします。

1. 再体験症状

再体験症状とは、過去のトラウマとなった出来事を無意識のうちに繰り返し思い出してしまう症状のことです。特に悪夢やフラッシュバックという形で現れることが多く、まるで当時の出来事が再び目の前で起きているかのような錯覚に襲われます。

このような状態では、本人は強い恐怖や不安に包まれ、時にパニック状態に陥ることもあります。フラッシュバックは、音や匂い、特定の言葉や場面など、トリガーとなる刺激によって突然引き起こされることがあり、患者は自分ではコントロールができません。

2. 回避症状

回避症状は、トラウマに関係する人物、場所、活動、話題などを無意識に避けようとする行動を指します。これは、自身を再び苦しめる可能性のある刺激から身を守るための心理的防御反応とも言えます。

たとえば、交通事故に遭った経験がトラウマになっている場合、その人は車に乗ること自体を避けるようになります。あるいは、被害が起こった地域には近づかなくなることもあります。回避行動が続くと、生活の幅が狭まり、対人関係や仕事にも支障が生じ、社会的な孤立につながることがあります。

3. 麻痺症状(感情の麻痺)

麻痺症状とは、感情が鈍くなったり、無感動な状態になることを意味します。トラウマを繰り返し思い出すことで、心の痛みを少しでも和らげようとする防御機能として、感情をシャットダウンしてしまうのです。

この状態では、喜びや幸福といった前向きな感情だけでなく、悲しみや怒りといった負の感情すら感じにくくなります。その結果、生活への関心が薄れ、人付き合いや趣味への意欲を失ってしまいます。重症化すると、自己評価が極端に下がり、「自分は無価値な人間だ」と感じるようになるケースもあります。

4. 過覚醒症状

過覚醒症状は、常に神経が過敏になっている状態を指します。外部の刺激に対して過剰に反応してしまい、ちょっとした音や出来事にも驚いてしまうようになります。また、睡眠障害もこの症状に含まれ、夜中に何度も目が覚める、悪夢を見る、入眠困難などの問題が見られます。

過覚醒が続くと、集中力の低下、怒りの爆発、衝動的な行動、さらには自傷行為などのリスクも高まります。患者本人も「自分では感情をコントロールできない」と感じることが多く、大きな不安や孤独を抱えることになります。


PTSDの合併症について

PTSDは、単独で発症することもありますが、多くの場合、他の精神的な疾患と併発することがあります。実際の臨床現場では、PTSD患者のおよそ80%が、うつ病や不安障害、解離性障害、アルコール依存症、薬物依存など、何らかの合併症を抱えているとされています。

解離性障害との関連

特に注目されているのが、解離性障害との関連です。これは、精神的な苦痛から自分を守るために、記憶や意識、感情などを無意識のうちに切り離してしまう障害です。PTSDの患者に見られる「記憶の一部が抜け落ちている」「自分が現実の中にいないような感覚になる」などの症状は、この解離が原因であることが多くあります。

転換性障害などの身体症状

また、PTSDは身体的な症状として現れることもあります。たとえば、手足の麻痺、けいれん、言葉が出なくなるなど、神経学的な原因が見つからないにもかかわらず身体に異常が出る「転換性障害」が起こることもあります。これらの症状は、精神的なストレスが無意識のうちに身体を通して表現される形であり、本人にとっても非常につらいものです。


まとめ:心のケアの重要性

PTSDの代表的な4つの症状とPTSDの合併症について

PTSDは、単なる「過去の嫌な思い出」ではなく、今なお続いている「心の傷」として理解する必要があります。その傷がもたらす4つの代表的な症状(再体験、回避、麻痺、過覚醒)は、日常生活に大きな影響を及ぼし、さらには他の精神疾患を併発するリスクも高めます。

しかし、適切な治療や支援を受けることで、多くの人が症状の改善や回復へと向かうことが可能です。精神療法や薬物療法、そして家族や周囲の理解とサポートが不可欠です。PTSDで苦しんでいる人が、自分だけで抱え込まず、安心して助けを求められる社会づくりが求められています。

もしも、あなた自身や大切な人がPTSDの症状で悩んでいるのであれば、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。心の傷は目には見えませんが、確かに存在しています。そして、その傷を癒す手助けとなる手段は、必ず存在しています。