こんにちは。
今回は「夢遊病」について詳しくご紹介いたします。
夢遊病という言葉を耳にしたことがある方は多いかもしれませんが
実際にその仕組みや対処法についてご存じの方は少ないのではないでしょうか。
夢遊病は正式には「睡眠時遊行症(すいみんじゆうこうしょう)」と呼ばれ
睡眠中に無意識のまま起き上がり、歩き回るといった行動を取る睡眠障害の一種です。
特に3歳から9歳くらいの小児期に多く見られる現象で
成長とともに自然と治まることが多いですが、まれに成人期まで持続したり
大人になってから新たに発症するケースもあります。
成人の夢遊病の場合、背景にストレスや睡眠障害
あるいは服用している薬や他の病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、夢遊病の基本的な知識から、症状・原因・診断・治療
そしてご家庭でできる対処法まで、わかりやすく丁寧に解説してまいります。
夢遊病は、睡眠中に突然起き上がって行動を起こす病態で
医学的には「睡眠時遊行症」と呼ばれます。これは、睡眠のサイクルの中でも
「ノンレム睡眠(深い眠り)」の段階で発生することが特徴です。
睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類に分かれます。
夢遊病は、このノンレム睡眠の中で起こります。
本来なら深い眠りにあるはずの状態で、脳の一部が目覚め、身体が動き出すのです。
しかしこの時、本人の意識は完全には覚醒しておらず
夢遊中の行動を後から本人が覚えていることはほとんどありません。

夢遊病の症状は人によってさまざまですが、共通してみられる主な特徴は次の通りです。
一般的な症状
具体的な行動例
このように、行動はある程度目的をもっているように見えますが
意識的な判断力は欠如しているため、危険を伴うことがあります。
たとえば、階段から落ちてしまったり、窓を開けて外に出ようとするなど
大きな事故につながることもあるため、十分な注意が必要です。
成人に見られる特殊な症状
成人の場合、次のような症状が現れることがあります。
これらは本人にとっても周囲にとっても困惑を招くため、早期の対処が望まれます。
夢遊病の原因は一つではなく
複数の要因が関係していると考えられています。以下に主な原因を挙げます。
(1) 脳の発達未熟
小児の場合、睡眠と覚醒の切り替えを行う脳の機能がまだ未熟であるため
深い眠りの中でも部分的に覚醒してしまい、夢遊行動が発生します。
(2) 遺伝的要因
家族に夢遊病や夜驚症の既往がある場合
遺伝的な体質として夢遊病が起こりやすいとされています。
(3) 心身のストレス
日常生活の中での精神的ストレスや過労がたまると
睡眠の質が低下し、夢遊病の発症リスクが高まります。
(4) 睡眠時無呼吸症候群
無呼吸による頻繁な覚醒が、夢遊病を引き起こす一因となることがあります。
(5) 認知症との関連
高齢者で夢遊病が新たに発症した場合は、認知症の初期症状である可能性もあります。
(6) 薬物やアルコールの影響
特に睡眠薬や抗不安薬、アルコールの摂取が関係することがあります。
これらの物質が脳の正常な睡眠リズムを乱すためです。
夢遊病は、主に問診と症状の観察により診断されます。
本人が症状を覚えていないことが多いため、同居する家族などの証言が重要となります。
必要に応じた検査
睡眠障害の専門外来では、終夜ポリソムノグラフィ(PSG)検査と呼ばれる
睡眠中の脳波・心拍・筋電図などを測定する検査が行われることがあります。
診断基準の一例
5. 夢遊病の治療法

夢遊病の治療は
症状の程度や原因に応じて異なります。一般的には以下のような方法が取られます。
(1) 環境の安全対策
(2) 生活リズムの見直し
(3) ストレスマネジメント
(4) 薬物療法(重度の場合)
※薬の使用は医師の指導のもと、慎重に行う必要があります。
夢遊病が見られた場合、ご家庭での対応も非常に大切です。
また、毎晩の行動を記録しておくと、医師への相談の際に役立ちます。
夢遊病は、深い眠りの中で起こる無意識の行動であり
多くの場合は子どもに見られる一過性の現象です。
しかし、成人になってから発症するケースや、重度の症状が続く場合は
他の疾患やストレスが背景にあることもあるため、専門医の診断を受けることが勧められます。
安全な睡眠環境の整備、ストレス管理、生活習慣の改善といった日常的な対策で
多くのケースでは改善が見られます。
ご自身やご家族に夢遊病の兆候が見られた場合は
無理に心配しすぎず、適切な知識をもとに冷静に対処することが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。