自閉症スペクトラム(ASD)の原因

自閉症スペクトラム(ASD)の原因については、
複数の遺伝子の塩基配列の組み合わせに環境要因が加わり、
神経細胞のネットワーク形成に影響を与えていると考えられています。
その結果、ASDとして共通する行動の特徴が現れるとされています。
発症に関わる遺伝子は極めて多数であり、500から1000またはそれ以上の遺伝子が関与していると想定されています。
様々な遺伝子の変化の組み合わせに何らかの要因が加わることで、脳の発達に一定の影響を及ぼし、
自閉症スペクトラムとしての共通性を持つ特性が生じるとされています。
【視覚過敏】自閉症スペクトラムの特徴

自閉症スペクトラムの方々は視覚情報に敏感であり、
特に最近の交通信号機やレーザーポインターなどの視覚刺激が強すぎるため、目が痛くなることがあります。
また、予測のつかない動きをするものに対して恐怖を感じる場合もあります。
例えば、動物自体が苦手なのではなく、その動きが予測できないことが恐怖の原因となります。
蝶やトンボのような空を飛び予測できない三次元の動きをするものは、図体の大きな動物よりも怖いと感じる人もいます。
【聴覚過敏】自閉症スペクトラムの特徴

自閉症スペクトラム(ASD)の方々の中には、音に過敏に反応する人がいます。
赤ちゃんの泣き声やトイレのジェットタオルの音などを嫌がり、耳をふさいだりすることがあります。
無理になれさせようとすると、かえって症状を強めることが多いので、回避するための具体的な方法を身につけておく必要があります。
あるASDの方は、小さいころから音に非常に過敏で、それを「克服」しなければならないと思い込んでいました。
嫌な音が鳴り出すと、耳をふさぎながらその音源に近づき、これ以上は無理というところまで来ると大声を上げてパニックに陥ることがありました。
【触覚/痛覚過敏】自閉症スペクトラムの特徴
自閉症スペクトラム(ASD)の方々の中には、触覚が過敏な人がいます。
例えば、冬でも長袖の服を着たがらなかったり、帽子や靴下をすぐ脱ぎたがる子どもがいます。
また、下着の襟元のタグが首に当たるのが嫌で外すように要求することや、少しでも服が濡れるとすぐに着替えたがることがあります。
痛みに対する感受性も人によって異なり、非常に過敏に反応する子どももいれば、まるで感じていないかのように振る舞う子どももいます。
【味覚などの感覚過敏】ASDの特徴
自閉症スペクトラム(ASD)の方々の中には、味覚が過敏な人がいます。
同じ店のカレーでも曜日によってルーの味が違うことを言い当てる子がいたり、
逆に味覚が鈍感で、大量に醤油をかける人もいます。味覚だけでなく、口腔内の触覚過敏が関係している場合もあり、
臭いに敏感で食べられないものもあります。
【感覚の特異性による問題】ASDの特徴
特に問題となりやすいのは、運動会などの行事の時です。
運動会が夏の暑さが残る9月や10月に開催される場合、
暑さや聴覚過敏を刺激するピストルの音、マイクの音、放送の音楽、生徒たちの歓声などが影響し、「急な予定変更」も多くなります。
このため、この時期に不登校になる子どもも多くいます。
最近では、学校側も工夫を凝らして、ピストルの代わりに笛を使ったり、耳栓の使用を許可するなどの対策を講じることが増えています。
【視覚的情報が理解しやすい】ASDの特徴
自閉症の方々は、一般的に話し言葉よりも視覚的に提示された情報を取り入れやすく、
認識もしやすいことがわかっています。
また、言語表出と理解のバランスが悪いこともあり、
抽象的な概念や文脈を理解することが苦手なため、会話が成立しにくいことがあります。
ASDの子どもにみられる特徴
自閉症の子どもは、対人関係を維持し調整することが難しく、
他者と共感的に関わることが困難です。幼児期には他者とのやりとりが乏しく、遊びが自己の興味・関心に偏る傾向があります。
言語発達が遅れる場合もあり、それは子どもの経験不足によるものではありません。
【一人ひとり理解は異なる】ASDの人の特徴
自閉症という診断を受けていても、その状態像は一人ひとり異なります。
アスペルガー症候群も含む自閉症スペクトラム(ASD)の枠組みで考えると、多様性はますます広がります。
しかし、自閉症に共通している心理的特徴も確かに存在します。
例えば、「ちょっと待っていて」と言われたときに、どれほど待つかは具体的な状況に依存します。
そのため、曖昧な表現を具体的に理解することが難しいことがあります。