「いじめ」のトラウマから発展する複雑性PTSDとは?その症状と治療法を詳しく解説

こんにちは!

今回のテーマは「いじめ」のトラウマから発展する

複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)についてです。

いじめは精神的・肉体的に大きなダメージを与える深刻な社会問題であり

被害者はその影響を長期にわたって受け続けることがあります。

特に、長期間にわたって繰り返されるいじめや虐待が引き起こすストレスは

単なるPTSDとは異なる「複雑性PTSD」を引き起こすことがあります。

この記事では、いじめによるトラウマがどのように複雑性PTSDを発展させ

どのように治療していくのかを詳しく解説します。


1. いじめや虐待による複雑性PTSDとは?

1-1. PTSDと複雑性PTSDの違い

「いじめ」のトラウマから発展する複雑性PTSDとは?その症状と治療法を詳しく解説

一般的に「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」は、生命の危機や暴力的な体験など

突発的で強烈なトラウマ体験が原因で発症します。

例えば、交通事故、災害、犯罪被害、戦争体験などが挙げられます。

しかし、いじめや虐待といった長期間にわたる慢性的なストレスが原因で発症するものは

「複雑性PTSD(C-PTSD)」と呼ばれます。

複雑性PTSDは、時間をかけて繰り返しトラウマを受けることによって引き起こされ

しばしば自分自身の存在や他者との関係性に対する深い疑念を生じさせます。

いじめや虐待は、被害者に長期間にわたり精神的および肉体的な苦痛を与えるため

複雑性PTSDを引き起こすリスクが高くなります。

具体的なトラウマ体験の例としては、以下のようなものが挙げられます:

  • 学校や職場でのいじめ
  • 家庭内での暴力(DV)
  • 性的虐待
  • 育児放棄(ネグレクト)
  • 兄弟間や親子間の支配的な関係

1-2. 複雑性PTSDに見られる症状

複雑性PTSDは、単なるPTSDよりも症状がより多様で複雑です。

代表的な症状には、以下のようなものがあります。

  1. 感情の不安定さ
    • 感情がコントロールできず、怒りや悲しみが爆発しやすくなる
    • 急に気分が沈む、または怒りっぽくなる
    • 突然涙が止まらなくなる
  2. 解離(ディソシエーション)
    • 現実感がなくなる
    • 記憶が飛ぶ
    • 自分が自分でないように感じる
  3. 過覚醒
    • 些細な音や動きに過剰に反応する
    • 寝つきが悪く、すぐに目が覚める
    • ちょっとしたことでパニックになる
  4. 対人関係の問題
    • 他人を信用できない
    • 極端に依存的になる
    • 孤立や引きこもり
  5. 自己否定・自己破壊的行動
    • 自己価値の低下
    • 自傷行為や過食・拒食
    • 薬物やアルコールへの依存

これらの症状は、日常生活や人間関係に深刻な影響を与え

患者はしばしば「うつ病」「不安障害」「境界性パーソナリティ障害」などの

別の精神疾患と誤診されることもあります。


2. 複雑性PTSDの根深さ

2-1. いじめや虐待のトラウマが引き起こす「心の歪み」

いじめや虐待が長期間続くと、被害者の心は次第に「歪み」を持つようになります。

たとえば、次のような感情が芽生えます。

  • 自分が「価値のない存在」だと感じる
  • 他者を信頼できなくなる
  • 将来に希望が持てなくなる

特に幼少期にいじめや虐待を受けると、人格形成の過程で心に深いダメージを与えるため、成人後もその影響が続くことが多くなります。このような心の歪みは、自己評価や他者との関係に深刻な影響を及ぼし、複雑性PTSDの症状をさらに悪化させる原因となります。

2-2. 「解離」という心の防御反応

複雑性PTSDでは、強烈なストレスや葛藤から逃れるために

「解離」という心の防御反応が起こることがあります。

解離の症状には、記憶の欠落や現実感の喪失、感情の麻痺が含まれます。

これは、心がダメージを受けないようにするための自己防衛反応ですが

結果として症状を悪化させることがあります。

解離によって、自己認識が不明確になり、日常生活に支障をきたすことが多くなります。


3. 複雑性PTSDの治療法

複雑性PTSDの治療は

症状の深刻さと個々の患者の状況に応じて、さまざまなアプローチが必要です。

3-1. 心理療法(カウンセリング)

複雑性PTSDの治療において最も重要なのは、**心理療法(カウンセリング)**です。

心理療法の主な種類には以下のものがあります:

  • 認知行動療法(CBT):ネガティブな思考をポジティブなものに変えることを目指します。
  • EMDR(眼球運動による脱感作法):トラウマ体験を脳内で再処理する方法です。
  • 内省療法:自己受容を促し、自分自身を見つめ直す療法です。

臨床心理士や精神科医と一緒に

自分自身を受け入れる作業を行い、トラウマの記憶と向き合っていきます。

3-2. 薬物療法

症状が非常に強い場合には、薬物療法が併用されることがあります。主に以下の薬が使用されます:

  • 抗うつ薬(SSRI):不安や抑うつを軽減します。
  • 抗不安薬:過剰な興奮を鎮めるために使用されます。
  • 睡眠導入剤:不眠を改善するために使用されます。

ただし

薬物療法は症状を一時的に和らげるためのものであり、根本的な治療には心理療法が不可欠です。

3-3. 安全な環境の確保

現在もいじめや虐待が続いている場合は、まずその環境から逃れることが最優先です。

相談窓口を利用したり、家族や信頼できる友人に相談したりすることが重要です。

また、必要であれば法的措置をとることも考慮すべきです。


いじめや虐待が原因で引き起こされる複雑性PTSDは

単なるPTSDとは異なり、慢性的なストレスによって心や認知が深く歪んでしまうことがあります。

「いじめ」のトラウマから発展する複雑性PTSDとは?その症状と治療法を詳しく解説

治療には、心理療法や薬物療法が効果的ですが

最も重要なのは「安心できる環境」を整えることです。

適切な支援を受けながら、少しずつ自分自身を取り戻していくことが回復への第一歩となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。