今回は「自律神経失調症の背景にあることが多い精神疾患」についてお話ししていきます。 自律神経失調症とは、体のあちこちに出てくる不調のことですが、病院で検査をしても「異常なし」と言われることがよくあります。でも、実はその裏側に、こころの病気が関わっていることも少なくありません。
自律神経失調症とは?

自律神経は、体の調子を自動的に整えてくれる働きをしています。この自律神経のバランスが乱れることで、頭痛・めまい・動悸・息苦しさ・吐き気・しびれなど、いろいろな症状が出てきます。
人によって出る症状はさまざまですし、症状の出る場所が変わることもあります。
特徴としては、 ストレスがかかると症状が強くなりやすい 症状の種類や出る場所が日によって変わりやすい 検査では異常が見つからず、内科のお薬も効きにくい
といった点があります。
なぜ自律神経が乱れるのか?
自律神経の中でも、特に「交感神経」が過剰に働きすぎると、心や体にさまざまな不調が出やすくなります。こうした交感神経の過活動を引き起こす背景には、いくつかの理由があります。
もともと緊張しやすい体質 ストレスがずっと続いている 忙しすぎて、休む時間が取れない
そして今回のテーマでもある、精神疾患の影響 です
自律神経失調症を予防・改善するには?
基本は「緊張をほぐすこと」がポイントです。 リラックスできる習慣をつくる(音楽、呼吸法、ストレッチなど) ストレスを感じすぎない工夫をする しっかりと休養を取る
こうした工夫で、自律神経のバランスが整いやすくなります。
また、自律神経失調症に特化した薬はないのですが、背景にある精神疾患を見つけて治療することで、結果的に自律神経の症状が和らぐことも多いです。
では、実際に自律神経失調症につながりやすい精神疾患を3つご紹介します。
1. うつ病
うつ病は、落ち込みや意欲の低下が続く「脳の不調」です。脳内のセロトニンという物質が不足していることが背景にあるとされていて、治療には休養・薬物療法・精神療法が中心になります。
うつ病では、心の症状だけでなく、吐き気・めまい・動悸など、自律神経失調症のような体の不調も出ることがあります。
特に、体の症状ばかりが目立って「心の不調」があまり表に出ない場合は、「仮面うつ病」と呼ばれ、見逃されがちです。でも、正しく診断されて治療を始めると、少しずつ良くなっていきます。
2. 適応障害
適応障害は、ある出来事や環境のストレスに対して心や体が強く反応してしまう状態です。うつ病とは違って脳の機能に異常があるわけではありませんが、症状はつらく、持続することもあります。
治療の柱は、環境の調整とストレスマネジメントです。
この適応障害でも、自律神経の症状が目立つことがあります。たとえば「仕事に行こうとすると吐き気がする」「めまいがする」といった反応が起きることも。こうした体の症状がきっかけで、適応障害と分かるケースもあります。
3. 不安障害
不安障害は、強い不安や緊張が続いて、日常生活に支障をきたす精神疾患です。
種類としては、 社会不安障害(人前で強い緊張を感じる) パニック障害(突然、強い不調=パニック発作が起きる) 全般性不安障害(いろいろなことが常に心配で不安) 強迫性障害(強いこだわりや確認行動が止められない)などがあります。
これらの不安障害では、不安や緊張が強くなる場面で、自律神経失調症のような症状が出ることがあります。たとえば、パニック発作のように急な症状が出たり、全般性不安障害のように慢性的に体調がすぐれなかったりします。
とくに軽度でゆるやかな場合は「なんとなく体調が悪い」と見逃されがちですが、背景に不安障害があるとわかれば、治療によって症状が改善していく可能性があります。
まとめ

自律神経失調症そのものに特効薬はありませんが、背後にある精神疾患を見つけて治療することで、体の不調も改善されるケースが多いです。
「原因不明の体調不良」が続いている場合、心の状態にも目を向けてみることが、回復の大事な一歩になるかもしれません。
ご覧いただきありがとうございました。