一瞬のできごとを忘れない!】自閉症スペクトラム(ASD)の人に多いカメラアイ能力とは?

はじめに

 カメラアイという言葉をご存じでしょうか?カメラアイは瞬間記憶能力とも呼ばれ、目で見たものをそのまま脳に保存できる能力のことです。2018年にM-1グランプリで優勝した霜降り明星のせいやさんは、生後2か月の記憶を持っているそうで話題になりました。また、一度見た映画を最初から最後まで完全に再現できるとも言われています。

カメラアイは、目がカメラの役割を果たし、脳がその記憶を保存するメモリーの役割を果たします。この記憶は衰えることなく、鮮明に思い出すことができます。カメラアイの能力がある人は、一般には理解し難い優れた能力を持っているがために、社会生活で苦労することもあります。今回は、カメラアイの特徴や実生活への影響、発達障害との関係について解説しながら、理解を深めていきたいと思います。

カメラアイとは?

カメラアイとは?

 カメラアイとは、瞬時に物事を記憶できる能力で、「瞬間記憶能力」として知られています。例えば、一度見た景色を緻密にスケッチしたり、教科書を丸暗記することができます。この能力は発達障害の一部です。辞書には、「カメラで撮影された状態を予測判断できる能力」と記されています。カメラアイの能力は便利に思われますが、実際にはこの能力を持つ人々は悩みを抱えて生活しています。

カメラアイの記憶メカニズム

  • 目から入った情報をそのまま記憶する
  • 記憶の干渉が起こらず、そのまま思い出せる
  • 記憶を忘れることができない

カメラアイは、目から入った情報をそのまま記憶する能力で、記憶の干渉が起こりません。記憶の干渉とは、別の記憶が入り混じって新たな記憶ができることです。カメラアイの人は、「見たものを見たまま記憶し、思い出す」ことができます。

人間の脳は忘れることで新たな知識を覚えますが、カメラアイの人は記憶をそのまま保持するため、忘れることが難しくなります。最新の研究では、人間の記憶は「存在するが引き出せない」状態であることが分かっています。カメラアイと診断された人は視覚情報を上手く利用できますが、聴覚やその他の脳機能に不得意が生じることがあります。例えば、視覚情報から覚えるのは得意でも、その情報を応用するのが困難なことがあります。この特性から、幼少期に神童扱いされる子どもがプレッシャーを感じることがあります。

また、カメラアイの人にとって「フラッシュバック」は、記憶が鮮明なために強いストレスを引き起こします。フラッシュバックとは、心的外傷などのトラウマが突然鮮明に蘇ることを指し、ネガティブな意味で使用されます。

カメラアイは発達障害の一部

カメラアイは発達障害の一部とされていますが、生活に直接的な影響を及ぼさないと考える人もいます。自閉スペクトラム症の中には、圧倒的な記憶能力を持つカメラアイの人がいます。発達障害について正しい理解を持ち、それぞれに合った支援を行うことが重要です。

カメラアイの持つ特性

 カメラアイには、記憶能力に優れた良い特性と、悪く働く特性があります。 それは以下のような状況です。

  • 周囲からの異常な期待
  • 脳の機能の一部に障害がある場合
  • フラッシュバックによる苦しみ

カメラアイがあると記憶の引き出しが容易なため、フラッシュバックが起こりやすくなります。悲しい出来事も鮮明に思い出され、感情まで蘇ります。発達障害を抱えていると、フラッシュバックによる嫌な気持ちを制御できず、鬱症状やパニック、問題行動が併発することがあります。

また、瞬間記憶能力があるために周囲の期待が高まり、成績が落ちると周囲が失望し、その気持ちが子どもに伝わると情緒不安定になり、不登校になることもあります。発達障害による影響で人間関係の不安や苦手が生じることや、学習障害が併発することもあります。

カメラアイを持つ人への支援について

カメラアイを持つ人への支援について

 カメラアイ・瞬間記憶能力を持つ子どもは社会で生きづらさを感じることが多いです。発達障害や知的障害について正しく理解し、その人に合った支援環境を整えることと、周囲の人々に誤解を解き、期待の眼差しを向けすぎないことが大切です。

天才的な著名人の中にはカメラアイやサヴァン症候群の人が多いと言われますが、適切なサポートがあったからこそです。適切な支援次第でその人の強みを生かし、弱みを補うことができます。