統合失調症は、幻聴や妄想といった特徴的な症状が見られる精神疾患で、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることによって発症します。特に「急性期」と呼ばれる状態では、症状が急激に現れ、日常生活に著しい支障をきたすことも少なくありません。
この記事では、統合失調症の病気の概要をふまえつつ、急性期に見られる代表的な5つの症状を丁寧に解説します。

統合失調症は、脳の働きに不調をきたすことで、現実との区別がつきにくくなる「陽性症状」や、意欲の低下などの「陰性症状」、さらには思考力や判断力の低下といった「認知機能障害」などが現れる疾患です。

統合失調症は、脳内のドーパミンという神経伝達物質の働きが過剰になることが一因とされており、その結果として様々な症状が現れます。治療には抗精神病薬を中心とした継続的な治療と、再発予防のための支援が重要です。
統合失調症は、症状の経過に応じて次の4つの段階に分類されます。
この中でも急性期は、特に症状が強く、本人の混乱も大きいため、適切な治療と休養が不可欠です。
急性期の背景には「脳の過覚醒」があります。これは、脳内のドーパミンの働きが過剰になることで、脳が常に興奮した状態になり、あらゆる刺激に過敏に反応するようになります。
この状態が続くと、幻聴や妄想といった症状が強く現れ、さらに不眠や精神的な興奮が悪循環を生むことで、病状が急激に悪化していきます。
幻聴とは、実際には存在しない声や音が聞こえると感じる症状です。統合失調症の急性期では、この幻聴が非常に頻繁に見られます。
中でも命令型幻聴は、本人がその指示に従ってしまうことがあり、周囲への影響も大きいため、注意が必要です。
妄想とは、現実には存在しない事柄を本人が強く信じ込み、それを訂正することが極めて困難な状態です。中でも「被害妄想」が目立ちやすく、他人に攻撃されていると思い込んだり、自分が監視されていると確信したりします。
妄想が行動化すると、攻撃的な行動や過度な出費、極端な決断に至ることがあるため、周囲の見守りと医療介入が必要です。
過覚醒状態が続くことで、精神的にも身体的にも興奮状態に陥ることがあります。些細な刺激にも敏感に反応し、大声を出したり、衝動的に動き回ったりといった行動が見られます。
興奮が強まると、自傷他害のリスクも高まるため、薬物療法や必要に応じた入院措置がとられることがあります。
急性期の患者さんは、思考のまとまりが失われ、言動が一貫性を欠くことがあります。話の内容が次々と変わったり、突然関係ないことを言い出すなど、周囲との意思疎通が困難になります。
このような混乱は本人の意思によるものではなく、病状によるものです。周囲が無理に説得しようとするより、専門的な支援が不可欠です。
昏迷とは、意識はあるにもかかわらず、ほとんど体を動かさず、外部からの刺激にも反応しない状態です。興奮状態のあとに急に無反応になることもあり、重度の症状とされています。
昏迷状態が続くと、脱水や栄養失調などの健康リスクが高まるため、迅速な医療介入が求められます。また、再び急激に興奮状態へ移行する場合もあるため、注意が必要です。
急性期にこれらの症状が現れた場合、本人だけで対応するのは困難です。早期に専門医の診察を受け、適切な治療を受けることが非常に重要です。
統合失調症の急性期は、脳の過覚醒状態を背景として、様々な症状が現れやすい時期です。特に注意が必要な症状として、以下の5つが挙げられます。

これらの症状は、早めの治療により緩和し、安定した生活を取り戻すことが可能です。「おかしいな」「いつもと違う」と感じたときには、一人で悩まずに、ぜひ医療機関への相談を検討してみてください。早期発見と適切な治療が、回復への第一歩です。