突然の動悸や息苦しさ、めまいなど、強い不安を伴う発作が繰り返し起こる「パニック障害」。
日常生活に大きな支障を及ぼす場合には、抗うつ薬の服用や認知行動療法といった本格的な治療が必要とされます。
しかし、すべての人が重症というわけではありません。中には「軽度のパニック障害」といえる状態の方も多く見られます。
軽度であっても不安や不調があるのは事実ですが、その治療や対応は必ずしも重症の人と同じとは限りません。
本記事では、軽度のパニック障害に焦点を当て、その特徴や具体的な対処法についてわかりやすく解説します。

パニック障害は、不安障害の一種で、突然襲ってくる「パニック発作」を繰り返すことが主な特徴です。1〜2%の人が生涯で経験するとされ、特に20代の女性に多いと報告されています。
主な症状は以下の3つです。

パニック障害の治療は、重症度に応じて以下のような段階で進められます。
主に抗うつ薬(SSRI)が使われ、発作の再発を抑えます。効果が出るまでには2〜4週間ほどかかるため、初期には抗不安薬を併用して発作を乗り切ることがあります。
回避せずに少しずつ不安な状況に慣れていく方法です。無理のない範囲で徐々に苦手な場面に直面することで、「怖いけれど乗り越えられる」という感覚を育てます。
失敗すると逆効果になる可能性もあるため、専門家の指導のもと慎重に進めることが望まれます。

では、「軽度のパニック障害」とはどのような状態を指すのでしょうか。明確な医学的定義はありませんが、以下のような特徴が見られるケースを指すことが多いです。
軽度の特徴
このような場合は、強力な薬物治療よりも、軽めの対応で生活の質を保つことが可能な場合もあります。

「怖いけどやってみる」「慣れていく」ことが基本です。
例えば、電車が不安な場合、まずは1駅だけ乗ってみる、空いている時間帯を選ぶなど、段階的に挑戦する方法が効果的です。
この脱感作は、軽度の方にとって非常に有効なアプローチですが、「無理をしないこと」が大前提です。怖い気持ちを否定せず、少しずつ成功体験を積み重ねることがポイントです。
軽度の場合、日常的に抗うつ薬を使わなくても、発作が起こりそうな場面で一時的に抗不安薬(例:エチゾラム、アルプラゾラムなど)を使用することで、安心感を得られることがあります。
ただし、抗不安薬は依存性のリスクもあるため、「本当に必要な時にだけ使う」という意識が大切です。
比較的副作用が少なく、軽度の不安や緊張に対応できる漢方薬(例:抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯など)や、依存性の低いタンドスピロンなどを用いることもあります。これらは医師と相談のうえで導入できます。
軽度の場合、無理にすべての場面に向き合う必要はありません。例えば「飛行機に乗るのが不安だけど、旅行は年に一度だから避けても生活に支障はない」というようなケースでは、「無理に克服しようとせず、避ける」という選択も立派な対応です。
睡眠不足、過労、カフェインの過剰摂取などは、不安を増幅させる要因になります。
軽度だからこそ、生活習慣を整えることで大きな改善が見込めることもあります。
特に以下のようなポイントに注意しましょう。
パニック障害は、その人の症状の重さや頻度によって治療のアプローチが異なります。
軽度であっても、不安や不調があることに変わりはなく、早めに適切な対処をすることで、悪化を防ぎ、日常生活の質を保つことが可能です。
軽度のパニック障害の場合、以下のような対応が主な選択肢となります。
「軽度だから大丈夫」と軽視するのではなく、「軽度だからこそ、しっかり向き合えば改善が期待できる」と前向きにとらえることが重要です。
不安は決して「気の持ちよう」だけではありません。
自分の状態を理解し、できるところから対策を始めていくことが、穏やかな毎日への第一歩です。