夏になると子どもたちの間で流行する「夏かぜ」。その中でも代表的なものが、「手足口病」「ヘルパンギーナ」そして「咽頭結膜熱(通称:プール熱)」の三つです。これらは主に幼児から小学生に多く見られる感染症ですが実は大人にも感染するリスクがあることをご存じでしょうか?
特に家庭内で子どもと接する時間の多い保護者や、医療・教育関係に携わる方にとっては注意が必要です。
本記事では、咽頭結膜熱(プール熱)の症状や原因、感染経路、治療法そして予防のポイントについて、わかりやすく解説します。

咽頭結膜熱はアデノウイルスによって引き起こされる感染症で、以下の三つの症状が特徴的です。
この病気は特に夏場、学校や幼稚園でのプール活動をきっかけに流行することが多いため、プール熱とも呼ばれています。
5〜7日間の潜伏期間の後に発症し、他の風邪よりも高熱が長く続く傾向があります。また、結膜炎によって目が赤くなり、目やにが出ることが多く、のどの強い痛みも見られます。そのため、食事や水分が十分に摂れず、脱水症状を引き起こすこともあります。特に小さなお子さんでは、こまめな水分補給が重要です。
咽頭結膜熱の主な原因ウイルスは、「アデノウイルス3型」です。他にも4型や7型などが原因となることがありますが、3型が最も多いとされています。
主な感染経路は以下の通りです:
アデノウイルスは非常に感染力が強く、症状が治まった後でも便からウイルスが1か月以上排出され続けることがあります。そのため、トイレ後の手洗いは特に念入りに行う必要があります。
プール熱は子どもに多い病気ですが、大人も感染することがあります。特に幼稚園児や小学生の子どもがいる家庭では子どもから親へと感染するケースがよく見られます。
免疫が十分にない大人や、過去にかかったことがなく抗体を持っていない人は要注意です。
咽頭結膜熱には明確な出勤停止期間の法律的な基準はありませんが子どもの登校については「主な症状が消えてから2日間は登校を控える」と学校保健法で定められています。
これに倣い、大人も以下の対応が望ましいとされています。

感染力の強いアデノウイルスから身を守るには、日頃からの予防対策がとても重要です。
基本的な予防策は以下の通りです:
プール活動がある場合も、過度に神経質になる必要はありません。最近のプールでは水質管理が徹底されているため、プール前後にシャワーを浴びる・ゴーグルを使用する・目を軽くすすぐなど、基本的なケアで十分に感染リスクを下げることができます。
なお、感染後のプール活動再開には医師の許可が必要です。学校保健法では、「医師の許可が出るまでプールには入らないこと」と定められています。
咽頭結膜熱の治療には、特効薬は存在しません。アデノウイルスに対して有効なワクチンや抗ウイルス薬も現在のところ開発されていません。そのため、治療は以下のような「対症療法」が基本となります。
症状別の対処方法:
体温が上がることで免疫機能が活性化し、ウイルスを早く排除する助けになるため、38℃程度の熱であれば無理に解熱剤を使わない方がよい場合もあります。結膜炎は軽度でも感染力が強いため両目に症状が出ることが多く、目をこすらず、点眼薬で炎症を抑えながら経過を見守ることが大切です。
通常、1週間ほどで自然治癒します。
咽頭痛により水分が摂れない場合は脱水症状に要注意です。こまめな水分補給と栄養摂取が、回復への近道となります。
咽頭結膜熱(プール熱)は、夏に流行するアデノウイルスによる感染症で子どもに多い病気ですが大人も油断はできません。
特に以下のポイントに注意しましょう。
家庭内に小さなお子さんがいる方や、人と接する機会が多い方は、特に注意して過ごしましょう。
体調に異変を感じたら、早めの受診と適切な対応を心がけてください。