今回は、ADHD(注意欠如・多動症)の人や、その傾向がある人(グレーゾーン)が日常生活や仕事で抱える困難、また、ASDとの共通点と違いについて、過去の動画を振り返りつつポイントを整理していきます。

特にADHDの特性を持つと、「今すぐ欲しい」、「今すぐやりたい」という衝動が抑えられず、買い物やアルコールなどに依存しやすくなります。
インターネットやゲームに関しても、衝動が抑えられず、気がつくと何時間も続けてしまうことがあります。本や漫画には終わりがありますが、インターネットやゲームは区切りが難しく、やめ時がわかりません。
気になることは紙にメモしておき、時間があるときに調べたり、スマホやゲームに触れない時間を作ることをおすすめします。帰宅後に予定が決まっていないと、スマホやゲームに流れがちです。
帰宅後の計画をあらかじめ立てておけば、それに基づいて行動できるようになります。
過集中や時間感覚の鈍さ、自分の体調の変化に気づきにくいと、食事や睡眠を忘れて没頭し、日常生活や健康に悪影響が出ることがあります。
ADHDの人は、物を使い終わった瞬間に次のことを考えがちです。
玄関の鍵を開けて部屋に入ると、次のことを考えて鍵を無意識にどこかに置いてしまいます。
この繰り返しで部屋は散らかり、置いた場所を忘れてしまいます。
帰宅して散らかった部屋を見た途端、憂鬱になります。
決まった場所に戻す習慣をつければ、片付けや探し物、忘れ物の悩みから解放されます。
物の置き場所を決め、使うたびにそこに戻す習慣をつけましょう。そのために必要な時間は1秒以内のものが多いです。まずは、何をどこに収納するか計画を立てましょう。
使う場所の近くに収納するのが基本で、細かくしすぎないようにしましょう。
収納場所が足りなければ増やすか、物を減らしましょう。
収納場所を増やすよりも、管理できる量に減らすことが大切です。
すぐに戻せば、探し物の時間を最小限にできます。
物を使ったらその場で決めた場所に戻すようにしましょう。
服や下着を脱いだらハンガーにかけるか洗濯カゴに入れる習慣をつけましょう。
ADHDの人は「先延ばしにしがち」です。
部屋の掃除をしようと思いつつ、好きな番組が始まると「掃除は後で」とテレビを見てしまいます。
やろうと思ったことや、やらなければならないことより、今の楽しみを優先しがちです。
さらに「うっかり忘れてしまう」という特徴もあります。
先延ばしにしたことを忘れてしまい、さらに行動が遅くなります。
「面倒くさい」という気持ちが強く、気が進まない活動を先延ばしにすることもあります。
ワクワクすることだとすぐに行動できるのに、毎日の活動、繰り返し行うこと、評価されないことを先延ばしにしがちです。
家庭内では掃除や片付け、職場では報告書や伝票の整理、経費の精算、事務処理、片付けなどです。
それ自体は大変ではないのに、なかなかできなかったり、何度も催促されなければならなかったりするため、だらしないと思われがちです。

メモを取っても、メモをしたことで満足し、確認しなければ意味がありません。
玄関のドアやトイレの近くなど、日常生活で目につきやすい場所にメモを貼りましょう。
普段の生活の中で目が行く場所にメモを貼れば、確認する習慣がつきやすくなり、間違った情報が修正されたり、予定が記憶に残りやすくなります。
生活の動線上でメモに自然と目が行くよう工夫しましょう。
ただし、パソコンの周りなどにメモを大量に貼ると、風景の一部となり、見なくなる恐れもあります。
こまめに貼りなおしたり、内容によって貼る場所を変えることが大切です。
スマホのメモアプリなどを活用し、時間を変えて段階的にアラームが鳴るように設定すれば、約束の日時を忘れることを防げます。
通知やリマインドをしてくれる設定にするなど、メモに気づけるような工夫も必要です。
ADHDの人は衝動性から怒りなどの強い感情を抑えにくく、湧き上がった怒りをそのまま相手にぶつけることがあります。
これにより、相手との関係が悪化しやすく、後になって後悔や自己嫌悪にさいなまれることもあります。また、物事をネガティブに捉える傾向があると、相手から軽く指摘されたことでも重く受け止め、ムッとしてしまうこともあります。
気持ちを切り替えるのが苦手だと、いつまでも引きずり、対人関係に影響することもあります。
イライラや怒りなどの負の感情をすぐに消すことは難しいですが、怒りを無理に抑えつけるとストレスがたまり、結果的に大爆発を招く恐れがあります。
しかし、湧き上がる怒りを爆発させない対応を身につけ、怒りをコントロールすることが必要です。
気持ちが鎮まったら、なぜそんなに怒りが湧いたのかを冷静に考え、相手にうまく伝えるようにしましょう。仕事量の見直しや体調管理など、普段からストレスを溜めないようにすることも大切です。
怒りの感情とうまくつきあうための心理トレーニングのこと。
ADHDの人は、不注意で意識があちこちに飛んでしまうことが多く、一時的に記憶に留める容量が少ないため、新しい情報が入ると別の情報が抜け落ちやすく、日々の細かいことを忘れがちです。
期限が自分にとって重要でないと、忘れてしまうこともあります。
期限のある書類を受け取ったら、その場で記入し、すぐに処理するのが最善です。
その場では「明日やろう」と思っていても、翌日には忘れてしまうことがあります。
提出が不要な書類でも、大切なものはなくす前に写真を撮って保管するのが賢明です。
駐車した場所を忘れて探し回った経験がある人もいると思います。
停めた場所の番号を写真に撮ったり、そこに至る道を動画で撮ったりすれば、探す時間を省けます。
新しい情報が入ると過去の情報が抜け落ちやすい人は、すぐに処理するか写真やメモに残しましょう。あまりに頻繁だと、深刻な問題に発展する可能性があります。
双極性障害は、うつ状態と活気のある躁状態が交互に現れる気分障害で、ADHDと診断されることがあります。また、反復性の躁状態に加えて、思考や行動に混乱が生じることが特徴的です。
ADHDと誤診されることがあるため、躁状態の期間や程度、生活への影響度をよく見極める必要があります。躁状態が軽度であったり、早い時期に治療を受けることで、双極性障害とADHDを区別することが難しい場合があります。
両方の特徴を持つ場合は、双極性障害の治療が優先されます。

DSM-5では、ADHDの診断には以下のような特徴が必要です。
ADHDは、「不注意」と「多動性・衝動性」の2つの側面で特徴付けられ、成人になっても症状が残る場合があります。成人期のADHDでは、不注意が特に目立つことが多いです。
ADHDの特徴を理解し、自分に合った対応策を見つけることが重要です。
支援を求めたり、工夫を凝らして日常生活を改善することで、ADHDを持つ人でも豊かな生活を送ることが可能です。
以上が、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴、主に日常生活の困りごとと対処法についてでした。