双極性障害(躁うつ病)は、うつ状態と躁状態という正反対の気分状態を周期的に繰り返す精神疾患です。うつ病と似ているようで異なり、治療には異なるアプローチが求められます。この疾患は、男性にも女性にも等しく見られるものですが、臨床の現場では女性特有の傾向がいくつか認められます。今回は、女性の双極性障害に特有の4つの特徴について詳しく解説し、治療や日常生活における注意点を丁寧にお伝えします。
双極性障害には「躁状態」「軽躁状態」「軽うつ状態」「うつ状態」という4つの主な状態があります。
治療の中心は「気分安定薬」と呼ばれる薬物療法です。これに加えて、生活リズムの維持やストレス対処、社会資源の活用なども大切です。
女性の双極性障害では、男性と比較して身体的な暴力ではなく、言葉による感情表現が目立つ傾向があります。多弁、早口、支離滅裂な発言、性的な逸脱傾向、パワハラ的言動などが見られることもあります。

一見、直接的なトラブルには至らないように思えますが、対人関係に深刻な影響を与えることが多く、職場や家庭での人間関係に不和をもたらし、孤立に繋がることがあります。
また、女性は「双極性障害Ⅱ型」(軽躁状態とうつ状態を繰り返すタイプ)になりやすい傾向があり、激しい躁状態には至らないため、性格の問題と誤解されやすいという特徴もあります。
女性では、短いスパンで気分の変動を繰り返す「ラピッドサイクラー(急速交代型)」が比較的多く見られます。これは1年間に4回以上のエピソード(躁・うつ・混合)が起こる状態を指し、気分が安定しにくく、本人も周囲も困惑しやすい状況になります。
自分の軸が定まりづらく、数日単位で気分や行動が大きく変わることもあるため、「気分屋」「気まぐれ」などと誤解されることも少なくありません。
女性の場合、症状が比較的軽いことが多く、また短期間での気分の波が中心となるため、双極性障害と気づかれずに性格や気質の問題として片付けられてしまうこともあります。

さらに、以下のような疾患とは症状が類似しているため、正確な診断が難しいのが現実です。
これらの疾患との鑑別診断が非常に重要であり、専門的な精神科医の診察が不可欠です。
双極性障害の治療には気分安定薬が使われますが、多くの薬が妊娠との相性に課題を抱えています。たとえば、リチウムやバルプロ酸、カルバマゼピンなどは胎児に影響を及ぼすリスクがあるため、妊娠を希望する女性には慎重な薬選びが求められます。
妊娠を優先するか、症状の安定を優先するかによって薬の選択が異なるため、主治医と十分に相談しながら個別に判断していくことが大切です。

双極性障害は、うつと躁の波を繰り返す精神疾患で、誰にでも起こりうるものです。女性においては特に以下の4つの特徴が目立ちます。
しかし、正しく診断され、適切な治療を受けることで、多くの人が安定した日常生活を取り戻すことが可能です。気になる症状がある場合や、「何かおかしいな」と感じたら、早めに専門機関を受診することをおすすめします。早期に気づき、支援を得ることが、回復への第一歩です。