なんとなく気分が晴れない。毎日が楽しくない。けれども、うつ病と呼ぶほど深刻ではない気がする。そんな状態が何年も続いているとしたら、それは気分変調症という精神疾患の可能性があります。気分変調症は一見すると症状が軽く見えるため、周囲からも本人からも見逃されがちです。しかし、実際にはその持続期間の長さから、生活や人間関係にじわじわと悪影響を及ぼすことが少なくありません。
今回は、「気分変調症に気づくための4つのサイン」を中心に、見落とされがちなこの疾患について詳しく解説します。
気分変調症は、いわば「軽度のうつ状態が長期間続く」タイプの精神疾患です。正式な診断基準では、少なくとも2年間(子どもでは1年間)症状が続くことが要件となっています。
症状は大きく分けて以下のようなものがあります:
これらの症状は、うつ病ほどの重さはないものの、長期にわたって続くことが特徴です。そのため、「性格の問題」と誤解されやすく、本人も周囲も精神疾患として気づかないまま、未治療のまま年月が過ぎてしまうことが少なくありません。

何となく気分が冴えない、気持ちが沈みがち、物事に前向きになれない。
このような状態が半年、1年、あるいは何年も続いている場合、それは一時的な「落ち込み」ではなく、気分変調症のサインかもしれません。
特に、「いつからこうだったか分からない」「ずっと前からこういう性格だった」と思ってしまう場合、病気とは気づきにくくなります。
うつ病における「集中力の低下」や「思考力の低下」も、気分変調症ではより軽い形で慢性的に現れます。
こうした変化は、周囲から「年のせい」や「性格的な問題」と見なされがちです。しかし、明らかなきっかけがないのに続いている場合、注意が必要です。
気分変調症では、身体の不調も無視できません。自律神経に影響するため、軽めながらも以下のような症状が長期間続くことがあります。
身体の不調があると、それ自体がストレスになり、さらに気分が落ち込みやすくなる悪循環に陥ることもあります。
気分変調症の症状は、他人からは「性格が暗い」「消極的」「不機嫌そう」などと誤解されることがあります。これは、病気の症状が性格的な問題に見えやすいからです。
このような評価は、自己肯定感をさらに下げ、より深い落ち込みにつながる場合があります。
気分変調症が見過ごされやすい理由は、症状が「軽度」で「慢性的」であるためです。本人も「昔からこうだった」「自分の性格の問題」と思い込みやすく、病気として捉える機会が少ないのです。また、周囲も「単に暗い性格なのでは」「疲れているだけ」と見なすことが多く、医療機関の受診につながらないケースが多数あります。

気分変調症は、適切な治療を受ければ改善することが十分に期待できます。
症状が慢性化する前に、早めに気づいて対応することがとても大切です。
気分変調症は、軽度ながら長く続く精神疾患であり、本人も周囲も見逃しやすいという大きな課題を持っています。今回紹介した4つのサインに思い当たることがあれば、それは単なる「性格」や「一時的な疲れ」ではなく、治療可能な心の病かもしれません。
気づくためのサイン:
「こんなことで相談してもいいのか」と思うかもしれませんが、心の健康は身体と同じくらい大切なものです。気になる症状がある方は、ぜひ一度、専門機関に相談してみてください。