―― 不安以外にも「回避」を改善、その土台は自己肯定感
不安障害は、パニック障害や社会不安障害など、さまざまな形をとる疾患です。しかしその一方で、発症のメカニズムや治療法には多くの共通点が見られます。不安障害の治療では薬物療法が有効とされますが、「薬だけに頼らない治癒」を目指すことも重要です。そのためには、不安そのものだけでなく、「回避」や「自己肯定感の低下」といった背景への働きかけも大切になります。この記事では、不安障害の治癒に向けた4つの目標について詳しく解説します。
不安障害とは、強い不安が長く続き、日常生活に支障をきたす精神疾患の総称です。発症の場面や症状の特徴によって、以下のような分類があります。
これらの症状は異なっていても、根底にある不安のメカニズムや治療の基本方針には共通点が多くあります。
不安障害の治療には、以下の2つのアプローチが基本となります。
薬によって脳内の神経伝達物質を整える「生物学的な治療」と、行動面からの「心理的アプローチ」の両輪で進めることが、治療の柱となります。
不安障害の回復には、次のような段階があります。
不安障害では「治癒」を最終目標とします。薬を少しずつ減らしながら、脱感作や自己肯定感の改善といった取り組みを同時に進めることが求められます。
不安を和らげるには、「脳」と「行動」の両面からのアプローチが必要です。
この2つは互いに補完し合う関係にあり、併用することで相乗効果が期待できます。
脱感作法は、初めは軽い不安から始めて、徐々に難易度を上げていくのが基本です。無理をせず、自分のペースで少しずつ克服していくことが大切です。
不安障害では、不安な場面を「回避」し続けることで活動範囲がどんどん狭まってしまう傾向があります。治療では、狭まった生活範囲を元に戻すことも目標になります。
ただし、急に無理をすると逆効果になることもあるため、自分にとって「少しだけ難しい課題」から取り組んでいくのがコツです。

不安障害の背景には、「自己肯定感の低さ」があることも少なくありません。自己肯定感が低いと、不安に圧倒されやすくなり、症状が長引く要因になります。
自己肯定感は、回復と治癒を支える土台になります。
治癒とは、「薬を使わずに症状が安定している状態」です。不安障害では、この状態を目指していきます。

不安障害の治療は、「不安を感じなくする」ことだけが目標ではありません。不安を感じても、それに圧倒されず、行動を制限せず、自分らしく生活を送れるようになることが大切です。
薬だけに頼らず、自己肯定感や回避行動の改善を通じて、真の意味での「治癒」を目指していきましょう。