今回は「うつ病で頭痛になりますか?」というご質問について、医療の観点から丁寧に解説していきます。
結論から申し上げますと、「うつ病が原因で頭痛が起こることはあります」。ただし、その前に身体的な原因をしっかりと除外することがとても大切です。頭痛という症状は、さまざまな背景を持つため、慎重な診断が求められるのです。

まずは頭痛そのものについて見ていきましょう。頭痛とは、文字通り頭部に痛みを感じる状態のことですが、その出方や性質によっていくつかのタイプに分類されます。大きく分けると「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類があります。
一次性頭痛は、他に明確な疾患がない場合に生じる頭痛で、頭痛自体が主たる病気です。代表的なものとして、以下のようなタイプがあります。
これらは比較的よく見られる頭痛で、心療内科や精神科でもご相談を受けることの多いものです。
一方で、二次性頭痛とは、他の病気が原因となって起こる頭痛です。ここでは、命にかかわるような疾患が隠れている場合もあるため、慎重な対応が必要です。
このように、まずは命に関わる可能性がないかを確実に除外することが第一となります。
医療現場では、頭痛の原因を見極めるために、以下のようなプロセスで診察が進められます。
ここまでの診療を経ても症状が改善しない場合、はじめて「心の病気」が関連している可能性を視野に入れていきます。
では本題に戻って、「うつ病で頭痛が起こることはあるのか?」という点について詳しく見ていきましょう。
うつ病とは、脳の働きに不調が生じ、持続的な気分の落ち込みや不安、興味・意欲の減退、集中力の低下などが現れる病気です。原因の一つに「脳内のセロトニン不足」が挙げられ、薬物療法・休養・心理療法によって治療が進められます。
うつ病の症状には「こころの症状」だけでなく、「からだの症状」も含まれることがあります。特に注目すべきなのが「自律神経症状」です。
自律神経は体のさまざまな働きを自動的に調整する神経系で、ストレスや不安が続くことでバランスが崩れると、頭痛・動悸・息苦しさ・胃腸の不調・めまい・耳鳴りなど多様な症状を引き起こします。
このような背景のもと、うつ病が原因で頭痛が現れるケースも少なくありません。
特に次のような場合、うつ病との関連が考えられます。
こうした場合、標準的な頭痛の治療薬(例:トリプタン系)では効果が薄く、うつ病の治療を進めることで、頭痛も軽快する可能性が出てきます。
頭痛以外にも、自律神経失調による症状は人それぞれ異なります。
こうした症状が複数ある場合には、身体の不調として現れているものの、その根本には心の問題があることが少なくありません。

では、実際に頭痛が出たとき、どのように対応すべきでしょうか。
うつ病が背景にある場合には、心療内科や精神科での診断と治療が効果を発揮し、頭痛そのものも改善することがあります。
今回のテーマ「うつ病で頭痛になりますか?」について解説してきました。
心と体はつながっています。「体の不調=体の病気」と考えがちですが、心の不調が体に現れることも多いのです。気になる症状が続く場合は、ぜひ一度、心のケアも視野に入れてみてください。